ヤマダイスキーの旅日記

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今年のラマダンの過ごし方

2023年のラマダン期間は3/22(水)の日没から4/20(木)の日没までとなっている。

僕の今の立場としてはイスラム教に改宗する移行期間ということで、どこまでやるかいろいろ迷った。異教徒だからまったくやらなくていいと言えばそうだけど、それはもはや移行期間ですらない。

ただ日本というムスリムが極めてマイノリティな国にいる限りきちんと30日間ラマダンをやるわけにもいかない。会社もあるし、そもそもラマダンってのは普段の信仰をより一層強めましょうという期間なわけで、行動規範としては日中の断食以外にもいろいろある。

 

ということで今年のラマダンの過ごし方は次のようにする。

 

・朝と晩のお祈り(普段はけっこうサボってて週1やるかどうか)

・最初の3日間だけ日中の断食をする(有給も取った)

・豚肉などハラームを食べない

・お酒を飲まない(これは前から)

・ギャンブルをしない(これも前から)

喜捨として7万円を他人のために使う(ザカートの税率は2.5%)

 

せっかくなのでそれぞれちょっとだけ補足しておこう。

朝と晩のお祈り(普段はけっこうサボってて週1やるかどうか)

イスラム教では1日5回の礼拝の義務があり、順番にファジュル/fajr(夜明け前)、ズフル/dzuhur(正午)、アスル/asr(午後)、マグリブ/maghrib(日没頃)、イシャー/isya(夜)というように名前がつけられている。

お祈りには1回の立礼と2回の座礼をセットにしたラカートという繰り返しの単位があって、ラカートの回数は順に2回、4回、4回、3回、4回となっている。

本来であれば毎日5回を各セット数やったほうがいいんだけど、会社にいると面倒なので朝晩だけでいいや~ということにした。うちの会社って礼拝室ないし。

ちなみにコーランによると、最後の審判の日にまず審査されるのは1日5回の礼拝をどれだけ忠実に行っていたか、という点らしい。これも含めた総合評価で天国に行けるか地獄に行くかアッラーが決めるとな。ちょっと僕は厳しそうですね。

 

あとラマダン期間中限定で「タラウィー礼拝」というものもあるらしく、これは夜のイシャ―から夜明け前のファジュルの間にもう1回追加するというもの。

ただしこれは義務ではなく推奨ということなので、これもいいや~ということにした。やるとしたら11~23ラカートするらしい…

 

最初の3日間だけ日中の断食をする(有給も取った)

ラマダンといえば断食。

本来は30日間太陽が出ている間の飲食をしてはいけないというものだけど、東南アジアとか中央アジアとかの緩めのイスラム圏に行くと最初の3日間とか5日間だけという人たちがけっこういた。

イギリス留学中に一緒に住んでいたインド人ムスリムだって「周りでみんな飲み食いしてるのに自分だけ我慢するのは無理」といって免除にしていた。

僕もさすがに日本社会との折り合いがつかないので最初の3日間だけにする。ついでに銀行とか役所にも用事があるので、有給を取って昼間に終わらせるつもり。

 

豚肉などハラームを食べない

これも普段から普通に食べるなよってやつなんだけど、日本に住んでいると豚肉を完全にブロックするのは難しい。豚肉だけじゃなくて内臓とか血液とかもハラーム(禁止)だし、もっと厳格にいうと牛や鶏だって頸動脈と一発で切って血液を抜くとか、気絶させてから殺すのはダメとか、食肉処理はムスリムがやるべしとか、ちゃんと屠殺と精肉の方法が決まっている。

あとこれは中田考先生の主張の受け売りなんだけど、ついでに「ハラール認証協会ってのはその存在が根本的に反イスラムである」というのも説明しておこう。

そもそもイスラム教ってのは神アッラーと人間の1対1の服従関係を基軸にしている。逆にいうと人間同士にはいっさいの服従関係や指示命令系統が認められていない。政治家だろうが警察官だろうが学校の先生だろうが、イスラム教において人間は平等なので誰かが誰かの行動を指図したり服従させたりというのは望ましくない。

ハラール認証協会ってのは「これなら食べてもOK」「これは食べたらダメ」っていうのを認証する団体である。これはまさに他人の行動を指示・制限することであり、神->協会->人々、という隷属関係が生まれてしまう。これは神と人との1対1の関係を壊すものであり、反イスラム的である。

じゃあ何を食べてよくて何を食べたらよくないのか、ということになる。結論「イスラム圏でみんなが食べているものはOK」。迷ったらコーランとかを参照するし、食べちゃいけないものはイスラム圏で売られていない。だけどこれが日本みたいな非イスラム圏だと難しくて、自分で原材料名を見て判断していくしかない。メンドクセ

 

お酒を飲まない(これは前から)

お酒を飲まない理由は7つあるけど、そのうち下から2番目がイスラム教。

ただし成分としてアルコールを含む食品を気づかずに食べるのはセーフ。

お酒についてはまたいつか記事にします。

 

ギャンブルをしない(これも前から)

僕はイスラーム金融について十分に理解できていないし、そもそも一般金融の知識ですら覚束ないわけだが、厳密にいうと「お金でお金を生む」というのがイスラーム金融では認められていない。

だから僕みたいに利子とか配当金とかを目的に金融資産を持つのもよろしくない。

ま、それについてはおいおい解決するとして、いったん今回のラマダン期間中はギャンブルはしない=麻雀をしない。

ここ半年くらい麻雀やってないけどね。

 

喜捨として7万円を他人のために使う(ザカートの税率は2.5%)

これがほぼ唯一これまでやったことない新しい試み。

ちょっと前に確定申告をして日本に払う税金を整理したわけだけど、イスラームでも喜捨の習慣があって、自分より貧しい人たちに施しをしましょう、そうすれば天国に行けますよというのがある。

宗教における善行というのは正の経済外部性とは異なる、虚像の経済価値を創出することによって現実の資本主義の競争や効率化によってもたらされた欠陥・脆弱性を補完するシステムだと考えている。

具体的にどこで誰に使うかは未定だけど、とりあえず暇なときにクラウドファンディングのサイトを眺めてみようと思う。

何か支援してほしいプロジェクトがある方はコメント欄に書き込んでみてください。確認します。

 


次回の投稿は4月2日の予定です、お楽しみに~