ヤマダ=イスキーの旅日記

京大に2年間の休学届を出して世界一周しています。

旅ブログはフロンティア消失の一因なのか

今回はやや哲学的な話になります。

 

僕が旅に出るとき、特に海外をバックパッカーとしてふらふら歩くとき、三番目に参考にするのが他人のブログです。ちなみに一番参考にするのは自分の勘で、二番目に参考にするのはWikipediaです。地球の歩き方も参考になるにはなりますが、重たいので持ち歩くことはないし、そもそも読むのかというと実は読みません (ビザについてWEBページで確認することはあります) 。

 

ほかにもYoutubeやらTwitterやらで情報収集することもありますが、もっともこの2つは基本的に旅に出るモチベーションを高めてくれるだけで、実践的に役立つ情報はあまりないです。小説や旅行記も読みますが、これも細かいホットな情報を得る目的には適していないです。Google Earthで世界各地を眺めて次に行きたい場所を選定している友人がいましたが、僕もやってみたけどあまり思うところはありませんでした。

 

もっともすべてを活用していないにせよ様々な情報のソースがあることは確かです。それに居ながらにして世界中の情報を知ることができるのは非常に便利です。ただ、ここで以下のようなよくある疑問を抱いたわけです。

 

自分の旅行を外部化することで、他の人が「旅行したような気分」になってしまうのではないか。それによって「自分も行ってみたい」と思うこともあれば、「別に行かなくてもいいや」と思うこともあるだろう。「既に誰かが行ったことのある場所なんだから自分が行く必要はない」なんて思う大物ビックパッカーは多くないと思うけど、少なくとも事前に情報が手に入ることによって旅の難易度が下がったり、新鮮さが損なわれたり、得られたであろう興奮を得られなくなってしまう可能性は確かにあるのではないだろうか。

 

でもこれには次のような簡単な反論があります。

 

「じゃあそういう人は下調べをしなけりゃいいじゃん。ついでにスマホタブレットも持って行かなきゃいいじゃん。ネットに繋がらなきゃいいじゃん。」

 

しかし、21世紀になってからの世界はインターネットを前提として構築されているように思います。飛行機の手配なんてネットでやるしかないし、旅行代理店に足を運んでみたところで店員がネットで予約するだけでしょう。ケニアの観光ビザはオンライン申請限定で、空港に到着してからアライバルビザを取ることはできません。東南アジアなんかを旅行しているとFacebookのアカウントを持っていることは当然のような扱いです。僕は決して方向音痴ではないけど、行ったことのない目的地に向かっているときはGoogleMapなりMapsMeなりにかなり助けてもらっています。

 

細かい例を挙げていけばキリがないけど、簡単に言うと「数10年前のアナログ時代とは違い、今はネットがすべて。デジタル世界から自身を切り離すことは出家して俗世を離れるようなもの」です。

 

もちろんこれはバックパッカーについて言っているけど、一般の人が日常生活をする上でも概ね当てはまるのではないかと思います。

 

 

つまり、好むと好まないとに関わらずネットは必要不可欠なものになったわけであり、多かれ少なかれバックパッカーはネット上の情報を事前に収集するようになったわけであり、ビザや治安情勢から個人の体験談に至るまで、それらの情報なしには海外旅行が難しくなるわけです。

 

そしてその現象は世界のフロンティアを消滅させているのです。

 

一応フロンティアという単語を規定しておきますが、ここでは「オンライン上に未だに取り込まれていないエリア。検索しても旅行記がヒットしないエリア、ないしエリア間の移動手段。存在自体が知られていないエリア、または存在は知られているけど接近するのが危険だったり困難だったりするエリア。」とします。

 

単純に僻地なせいでネットが繋がらないとか、インフラが整っていないとか、現地の人がネットを使っていないとかは、少なくともこの記事ではフロンティアとは認めません。その地域に行ったことのある人が少なからずいて、写真などがネット上で公開されていれば、そこがもう未開の地ではないことは明らかでしょう。

 

そしてフロンティア消滅は悲しむべき事態なのかというと、僕はけっこう悲しいと思います。ここで穿った見方をして「フロンティアは一度消滅しても、別の観点で新たなフロンティアが出現する。先進国にもフロンティアは存在する。」とか、「フロンティアとは地理的なものではなく、バックパッカー個人の内面に存在するものであるから、いくら他人が行ったことがあるからといって自分が初めて行くなら価値がある」とか、「地球上から完全にフロンティアが消滅する頃には人類は月や火星を探索しており、そこに新たなフロンティアが誕生している」などと考えることもできるのですが、所詮は気休めなような気がします。一理あるけど一理しかない。

 

あと、ブログとかで収入を得ている人なら「ほかの誰も行っていない場所に行くことで自分を差別化でき、収入アップできる」とか考えるでしょう。その思考回路は仕方ないと思います。適度な自己尊厳欲求は恥ずかしいものではないですし。

 

でも僕の個人的なスタイルを言うと、このブログでは広告も出していないし、この旅行記は単なる備忘録みたいな面もあるし、別にバックパッカーを増やしたいとか思ってもないです。

 

だから実は、自分が世界で初めてどこかのエリアに足を踏み入れても、ブログには書かないと思います。もちろん他のSNSでも特に発言はしないと思います。僕の次に訪れた人がネット上に取り込んでしまう可能性は大いにあるわけですが、少なくともそれはその人の罪(?)なわけで、僕自身があえてその罪人(?)になるつもりはないです。

 

僕がここで書いていくのは、けっこう「情報がなくても何とかなるし、目新しいことではないけど、誰かがちょっと書いてくれてたら安心するし便利」みたいなことだったり、あとはこの記事みたいな思考プロセスです。

 

 

とりあえず今はここまで。またいつか追記するかもしれないです。