ヤマダイスキーの旅日記

アウトドア全般、海外移住、資格試験、ウェブ開発などの話をします

アメリカ旅行の収穫

9月21日トロント空港にて執筆】

 

9月11日にブダペストの最後の宿をチェックアウトしてから実に10日間ものあいだホームステイと空港泊ばっかりしてきた。(まぁ今夜も空港泊なんだけど) とりあえずアメリカのビザは無事に下りたし、イミグレも意外なほどすんなり通過できたし、フライトとバスとヒッチハイク合計9本すべてノーミスでクリアしたし、これは完全に合格ということでいいのではないだろうか。明日メキシコシティに着いたらビールを買って祝杯を上げたいところ。

 

さて、今回のアメリカ旅行はずいぶんと出費がかさんだんだけど、その分収穫も大きかった。その最大のものが、大学院はアメリカにしたくないなぁと思うに至ったこと。ちなみに「アメリカで学びたくない」だけじゃなくて「アメリカで働きたくない」「アメリカに住みたくない」「アメリカに旅行したくない」とも思ってるけど、特に世界一周出発前どころかイギリス留学前どころかなんなら大学入学前からずっと「アメリカの大学院に行きたい」という気持ちがあったので、それの変化として捉えるとかなりデカい。

 

理由はいろいろある。

 

生活費の高さ、食費の高さ、学費と住居費の高さ、保険とビザの高さ、というのはもちろんとても大きい。今回アメリカ国内の移動はほぼグレイハウンドのバスを利用したけど、距離当たりの値段はヨーロッパの2倍以上した。5時間300~400kmで50ドルちょいくらい。ちなみにアムトラックという鉄道会社もあるけど、それはもっと本数が少ないし割高である。アメリカ国民はだいたい車で移動するか、あまりに遠いときは飛行機で移動するそうな。普通に燃料の無駄遣いだと思うんだけどまぁ説教しても始まらないよね。ちなみに通信費はみんな月に60ドルとか払ってるらしいし、iPhoneユーザーとかだと月100ドル以上払ってることもザラらしい。日本はデフレ国家だから単純な比較はできないけど、それでも自分がそんな世界で生きていける気がしない【僕の日本での通信費は月1500円くらい】。食費についてもそこまで絶品ではないピザ一切れで700円とか取られるからな。いくら給料が高くても精神削られるよ。あとは家賃。こいつが特にヤヴァイ。さすがニューヨークは世界で一番家賃が高い都市とされるだけあって月に30万円払って一部屋借りれるかどうかというレベルらしい。ボストンの郊外で知人の日本人にも泊めてもらったけど、そこはシェアハウスで月20万円と言っていた。東京の一等地周辺のほうが安かったりしそう。ちなみにだからと言ってアメリカの大都市で安い物件を契約すると、ほぼ間違いなくお金を払ってトラブルと不便さと危険を買うような結果になるらしい。じゃあ最初っからアメリカに住まなきゃいいよねという話。

 

 

ちなみに物価の高さはそれなりに想定内で、意外だけどそれとは別にアメリカ人の性格というか国民性が受け入れがたかった。具体的には店員がやたら ”What do you want?” の前に ”What’s your name?” って聞いてくるところとか【名前だって個人情報だろ簡単に渡したくないぜ】、ちょっとスーパーで買い物しただけで ”How are you doing today?” とかって世間話を始めるところとか【始めてくるのに大して聞いてないし】、なんなら道ですれ違ったときに目が合っただけで ”Hello how are you?” とか聞いてくるし【返事をすると相手がホームレスでお金を要求されたりするし】。

 

いやフレンドリーと言えばそうなのかもしれないけど、だいぶ行き過ぎ。だいぶ自分の気質とズレている。ちなみにインドならこういうフレンドリーさはもうメーターが振り切れるくらいまで行き過ぎているのでもはやオッケー。やるなら徹底してやってほしい。もちろん今回みたいにアメリカで合計1週間くらいの滞在なら別に気にせず適当に流しておけばいいけど、1年や2年というスパンで長期滞在するならこの微妙な感覚のズレが毎日積み重なって大きく響いてくるんだろうと思う。

 

ということで大学院の第1志望はイェール大学からケンブリッジ大学に変更された。というかアメリカ国内にある大学院は第2志望以下どころか圏外になった。なんならシンガポールとか北京の大学院のほうが有力だったりする。ちなみにケンブリッジってだいぶ高いハードルではあるけどしっかり準備すれば充分射程圏内でしょう。もっとも目標にするだけなら無料だし、いいモチベにさえなれば結果はどうでも良かったりする。

 

 

そしてもう1つ、今回のアメリカ滞在で専攻も絞れた。これは単純な話なんだけど、ニューヨークの国連本部ツアーで会議室を実際に見学したときに「こんなイスに座りたくないなぁ」「ドロドロした政治の話あんま得意じゃないなぁ」「ドロドロでいうならもっと途上国のフィールドで泥にまみれた仕事がしたいな」と思ったのが大きい。時事関係で日韓関係がずいぶん暗礁に乗り上げてたのと、香港や台湾がずいぶん中国相手に苦労していたことも影響はしている。なんか政治って勉強してもなかなか解決策が見いだせないというか、やっててドン詰まりになりそうだなぁという気持ちになった。もっとパッと目に見える成果が出るような、そしてWin-Win-Winな解法が存在し得るような分野に行きたい。ということで専攻の選択肢からInternational relations とかPolitics とかが消えて、Developmentとかその類義語にほぼ絞っていく。

 

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Developmentも、アメリカ式の考え方だと絶対にうまくいかないと思う。だってアメリカって資本主義そのまんまの国だから

「金がない奴は教育を受けるな」

「金がない奴は食事をするな」

「金がない奴は家に住むな」

「金がない奴は病院に来るな」

「金がない奴は外国に行け」

逆に

「お金を持っている方はようこそ世界最高の国へ。どうぞ自由で快適で満ち足りた暮らしを謳歌してください」

みたいな価値観をひしひしと感じた。最悪じゃん。腐ってるじゃん。そんな病気みたいな価値観をアメリカで学んで世界中にばら撒くつもりはないぜ。

 

 

それを言い出せばイギリスだってツッコミどころは満載だけど、まぁなんだかんだ言ってまだ許せる国なんでね。だいたいの流れというか留学の雰囲気もつかめてるし。

 

ただし多くの国で2年かける修士号を1年で取り切らせるスケジュールだからキツイことはキツイ。実際にイギリス留学中も友人の留学生がヒイヒイ言ってたり、冬の過酷さに耐えきれなくなってノイローゼになったりしてたのを間近で見てたから、もし制度上可能なのであれば1年じゃなくて2年かけて休暇も挟みながらマスター取りたいんだけど、まあなんだかんだ精神を削れさえすれば1年でも取れるっちゃ取れるのかもしれない。その時はずいぶんと大変な1年になることでしょう。

 

 

それでは。