ヤマダ=イスキーの旅日記

イギリス留学、世界一周などをしていました。

イランはすごいぜっていう話。

※具体的な旅行記ではありません。 

【その1 人々】

イランの人々はめっちゃ優しい。もはや優しすぎる。

中央アジアでも地元の人は基本的にめっちゃ優しかったけど、客引きとかいう外国人からお金をむしり取ろうとしてくる人間は一定数存在した。そもそも僕にはインド旅行以来、

 

・客引きは外国人のことを「つかんでゆすればお金が出てくるATM」だと思っている。
・タクシーの運転手とは血みどろ殴り合いの値段交渉をするのが当たり前。
・お店の人がいう「ちょっと見るだけ」は英訳すると「買うまで絶対に店から出さない」。
ムスリムといえども詐欺師は詐欺師であり、死後の地獄より目先の利益を優先する。

 

このような先入観ができてしまっていて、実際のところ今でもこれはある程度正しいと思っている。だけどイランは例外。

 

・客引きといえど、まずは外国人ウェルカムの精神。
・タクシーの運転手はほぼ適正価格を出してくる。バスや鉄道は公定価格。
・お店の人がいう「ちょっと見るだけ」は本当にイランの文化を見てほしいということ。
・イランのムスリムは比較的ちゃんとしたムスリム

 

こんな感じだった。日本人が海外に行くとあまりに感覚が違いすぎてカモにされるという話はよく聞くけど、イラン人が海外旅行しても感覚が違いすぎて騙されそう。もっともイランのパスポートと賃金水準でどこまで外国に行けるのかはよく分からない。

 

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「英語の練習をしたい」とか言って頼んでもいないのにガイドを始め、「あぁこれは最後にチップをせがんでくるケースかな」とか思っていたら「ちょっと本屋に行かなきゃ、じゃあね!」とかって去っていった純粋に善良なイスファハンの女性。

 

【その2 物価】

イランの通貨はとても複雑で、到着して3日くらいは本当に理解不能だった。しかも出国して3日も経つと思い出そうとしてもよく分からなくなる。そのレベルで意味不明。がんばって説明していこう。

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紙幣はヨレヨレ

一番高額な紙幣は500,000リアル紙幣である。

 

しかしイランの人々は「リアル」ではなく、ゼロを1つ減らしたトマムという呼称を使う。つまり500,000リアル紙幣とは50,000トマム紙幣のこと。

そしてゼロを1つ減らしたうえに、さらにゼロを3つ減らしてくる。だから50,000トマム紙幣のことは「50」とだけ言ってくる。以下「」で囲った数字nは、n×10^4(リアル)を表すものとする。

 

この「50」というのがどれほどの価値なのか説明しよう。僕が入国した時点で100ドルは1,350,000リアルに両替された。もちろん闇マーケットでいくつか聞きまわった結果のレートがこれである。この数日前にトランプ大統領がイランとの核合意で揉めたため、レートが1日で10%ほども下落していたらしい。それ以前は100ドルが1,450,000リアルだったとか。ちなみに50ドルとか20ドルとか少額紙幣になるともっとレートは悪い。

 

さらに調べてみると、去年とかの公定レートだと100ドルが42,000リアルとか50,000リアルとかに両替されていたらしい(幅がすでにすごい)。それが3倍くらいの額に増えている。ものすごい通貨暴落と物価上昇である。

深刻化するイランの人々の暮らし-米国による「最強」制裁の影響-- 記事詳細|Infoseekニュース

 

とにかく、そのレートから計算していくと現地の人がいう「50」とは3.7ドルのこと。別の言い方をすると、現地の人がいう「1」を8.2倍くらいすると日本円になる。

 

水1.5Lは「2」か「3」、つまり17円から25円くらい。もしくは英語が話せる人ならちゃんと「2,000トマム」とか言ってくれる。食事をすると「27」とか「32」とかそのくらい。250円だから安いといえば安いけど、さんざん経済制裁を食らってインフレしている割には物価は崩落していない。というかもう感覚がパッと分からない。

 

なおタジキスタンで会ったドイツ人によるとガソリンは1Lが3セント相当だったらしいし、油関連については物価が崩壊している。水の1/5の値段だ。産油国すげぇ。ちなみに隣国のトルクメニスタンアゼルバイジャン産油国ではあるが、ガソリンは1Lで30~50円くらいみたいだ。

 

 

さて、ここまでの説明でなんとなくでも納得できたならその時点ですごいんだが、納得できなかった人をさらに困惑させるようなことをイラン人はやってきた。

 

まず、一番大事なことを実はここまで書いてきていない。なんと「イランでは算用数字ではなくアラビア数字を使う」のである。ここまで0とか1とか書いてきたけど、それがイランではまったく違う・とかノとかになる。いや紙幣を裏返すと算用数字も書いてあるけど、スーパーの値札とかは全部アラビア数字で書いてある。読めない。

 

そしてあろうことか、僕が外国人だからかあえて「トマム」ではなく「リアル」で表示してきたことがある。ちょっと水とパンを買っただけなのに「6,000(50円くらい)」じゃなくて「60,000(500円くらい)」というのを電卓で打って見せてきた。打ち間違いではなさそう。あと何回か僕がレジのスクリーンで値段を確認することがあったけど、そこにはリアルで表示されていた。

 

次に「1」より小さい額について。そもそも「1」とは8円くらいなので基本的にそれより小さい額を使う機会はないんだけど、メトロの料金は「1,200トマム」つまり「1,2」だったのでお釣りが出てきた。コインの額面はトマムではなくリアルなので「1000」「5000」というのをコインのスペースをキツキツに使って彫り出してある。

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あとはさっきの写真を見れば分かるけど、「50」と「5」、「10」と「1」の紙幣のデザインが似ている。というか色がそれぞれ水色系統と薄緑色系統で似せてある。これに関してはちょっと暗い路地とかだとパッと見て色が分からないし、もはやメリットがあるのか分からない。


【その3 観光】

イランの観光資源はすごい。

僕は日本にいるとき「イランといえばイスファハンかな」というレベルの知識しかなかったけど、どうやらイスファハン以外にもシラズとかヤズドからタブリーズとか、国内のあちこちに長い歴史を誇る都市があるようだ。

現地の人は自分達が外国と政治的に揉めていることを自覚しているが、同時に自分達の国の持つ歴史や文化の価値も自覚している。観光地を歩いていても客引きは「ちょっと見ていけよ、イランについて説明してやるよ」と言ってきて、実際そのまんま説明だけしてくれて「じゃあな!」と解放してくれる。

というか観光については文字で説明するより写真を見せたほうが早そう。

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カシャン。散歩してたら道端にこういうのがあちこちにある。

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イスファハン。現地の人にとっては憩いの場所or散歩コースになっている。

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同じくイスファハン。さすがに「世界の半分」はちょっと言いすぎ。

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テヘラン駅。スマホを向けるとタクシーの運ちゃんが笑顔でポーズを取ってくれる。

 

【その4 イラン渡航歴】

イランに入国した人はその後アメリカの入国が難しくなる、という話は有名である。イラン以外にもイラクスーダン、シリアへの渡航歴があるとESTAではなくビザが必要となる。

 

イランの入国審査はけっこう変わっていたので最後に軽く紹介しておこう。

 

そもそもイランにはトルクメニスタンから陸路で入国した。アシガバッドの宿で会ったポルトガル人のカップルがちょうど同じタイミングと同じルートで移動する予定だったので同一行動を取ることにしたんだけど、彼らは入国審査でほぼスルーのようだった。

 

僕については、入国時に別紙を渡されて、そこに指でスタンプを押していくというアナログな記録の仕方をされた。入国も出国もスタンプは事前に印刷していたイランのビザに押されたのでパスポートを見ても入国歴は分からないけど、アメリカ入国のときには正直に申告したほうが良さそう。

 

あとアメリカとイランの関係はここ最近とくに険悪になっていて、ビザを取ってもアメリカに入国できるかはちょっと不明。