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中国側の丹東と北朝鮮側の新義州の間には2本の橋がかかっている。
1つは歩行者や自動車が通るような橋で、夜にはこのように綺麗にライトアップされる。しかし奥の方までよく見てみると、この橋は北朝鮮側でブツリと途切れている。
やけに橋の周りのセキュリティが甘いけど大丈夫なのか?と思ったけど、この橋で対岸に行くのはムリそうだ。橋の上には多くの中国人がいて写真をパシャパシャ撮っていた。
そもそもこの橋は日本軍が朝鮮半島を統治していた時代に建設したものだが、朝鮮戦争のときに米軍が空爆して破壊したらしい。 それをそのまま保存しているんだとか。
そしてもう1本は鉄道専用の橋で、上の写真もそこから撮った。1日に何本の列車がこの橋を通るのかは分からないが、片手で数えれる程度だろう。
さて、ここからはイミグレの近くなので写真や動画は禁止されている。文章だけで説明しよう。
丹東を出発した列車は橋を渡り終えたところで停車し、北朝鮮のイミグレ職員が各車両をまわって入国審査をしていく。車内から寒いプラットフォームに下りるのは気が引けるのでラクだ。僕を含めてみんな北朝鮮の人に会うのは初めてなのでかなり緊張していたが、ガイドのローワンが職員と冗談を言い合って笑っているのを見て「あれ?めっちゃフレンドリーじゃん。なんだこれ」と拍子抜けしていた。そしてそれ以降は雪で滑りやすくなったプラットフォームをペンギン歩きというかヒヨコ歩きしている女性職員を見て大笑いしたりしていた。
っていうかローワンは中国語も韓国語も流暢なのか。さすがガイドなだけある。
時差を抜いて実質で入国審査が終わるまでに2時間くらいかかったんだが、その途中でプラットフォームに雑貨や食品のカートが出てきて、みんなで北朝鮮のビールを買い漁っていた。750mlの瓶で10元(≒170円)らしい。僕はさすがに昼からビールを飲む気にはならなかったので遠慮しておいた。寒かったし。
ちなみに入国審査というのはそれなりに面倒なんだけど職員もかなりテキトーなもので、荷物チェックはザックの取り出しやすいところだけ、身体チェックも軽くポンポンするだけ、という感じだし、なんならチェックしていない荷物もあった。
ただし全員の持っているパソコン・タブレット・スマホ・カメラの台数と機種をメモしていたり、名簿に載っている人がちゃんと列車に乗っているかを二重でチェックしたりと、独特のセキュリティーチェックもある。なお指紋や顔写真は取られない。またスマホ内の写真などはまったく見られなかった。
ちなみに乗客のパスポートとビザを回収したときに山のように積み上げて職員がどこかに運んでいたけど、躓いて転んだらぶちまけちゃって大変だろうな、なんてムダなお節介を心の中でしていた。いろいろ突っ込みどころが満載な入国審査である。
聖書やコーラン、北朝鮮に関するガイドブックは持ち込み禁止なのだが、僕はリーチャイルドの小説(英語)と数独(っていうパズル)の2冊を持っていて、職員に「ふーん、これは小説なのね?」みたいに言われた。英語の読めない職員だともっとややこしいことになっていたかもしれない。本は持っていかないか、ザックの奥底にしまっておくと無難かと思う。
また職員が僕のパスポートを受け取ったときに「イルポンニン?ほぉー」みたいな反応をしていた。2018年には300人くらいの日本人が訪朝したっていうからそこまで珍しがらなくてもいいのではないか?と思ったけど、おとなしくスルーしておいた。基本的に北朝鮮が敵視しているのは「アメリカ合衆国」なのであって、韓国は同じ民族の国家、日本はいろいろ歴史があるけどただの隣国、というような感情を持っているようだった。
よっぽど複雑な事情を抱えている人でない限り、あとはアメリカ人でない限り、入国審査はスムーズに終わる。ただしツアー客以外にも出稼ぎから帰る北朝鮮の人が多く乗っているため、2時間くらいヒマな時間を過ごすことにはなる。
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