ヤマダ=イスキーの旅日記

イギリス留学、世界一周などをしていました。

2019年2月12日~13日、釜山にて壮絶なトランジットをした時の記録

※この文章は8000字近い長文です。トイレに行きたい方は今のうちに行っておいた方がいいでしょう。

 

2/12 8:30 那覇 

朝食の食パンを食べ終わったら、当直としてフロントの前の畳コーナーで寝っ転がっていたスタッフに呼び止められた。泊まるまで知らなかったがここは韓国人が経営している宿のようで、このあたりがなかなか異国感というかアジア感があってよろしい。

そのスタッフは中国人で、今日東京に移動してキャビンアテンダントの採用試験を受ける予定らしい。うん?今思えばおかしいな。当直じゃなかったのか?宿のスタッフをやめるということか、部屋に入れなくて畳で寝ていたのか。まぁおそらく転職するということなんでしょう。さすがに宿泊客なら毛布は持っていないはず。



その彼女の頼みとは英語で書いた履歴書を日本語に翻訳してほしいということで、最初はスマホの翻訳機を貸してくれみたいに言われたんだか、僕が自分で訳した方が早いし正確なのでやってあげることにした。

しかし僕もフライトが11:00なので宿は9時には出ないといけない。あまり時間がない。

「私は明るくフレンドリーであり、接客に向いています。」

「私は語学に堪能であり6ヶ国語ができます。今後も勉強していくつもりです。」
「経験豊かなキャビンアテンダントになり、お客様の安全で快適なフライトのお手伝いをするのが夢です。」
みたいな、僕でも3分あれば考えつくようなテンプレな志望動機だったんだが、まぁ字数制限だかスペース制限がけっこう厳しいらしいのでこの程度でもいいのかもしれない。


っていうか本気で志望動機書を書き上げようと思ったら1週間くらいはずーっと頭をひねるものだし、日本人というか他人の助けをもらわないでも自分で大枠くらい書き上げれなきゃダメじゃね?情けは人のためならずとはこのことだな、という当然の批判はあったわけだが、ともあれそんな説教を垂れている時間はないので言われた部分をどんどん翻訳していった。

学歴のところとかいくつかの単語は中国語だったのでそのまま使えて、なんとか9:10には終わらせた。15分くらいならいいよとか言って協力したけど実際は40分もやってたな。もしフライトに遅れても彼女を恨むことはないだろうが、しかし一生忘れないだろうとは思った。


空港まではユーレイルで行くんだが、そのチケット代以外の日本円硬貨はただの重荷になるだけなのでゆうちょ銀行のATMに吸収しておいてもらいたい。ということで前夜のうちにATMの場所を確認しておいたはずだが、なぜか宿を出てその方向に行っても見つからない。そしてこういう時に限ってMapsMeはなかなか反応しないもの。仕方ないからそのままユーレイルの次の駅まで歩いた。硬貨はいつものように空港でどうにか使い切ることにする。

9:20にモノレールは県庁駅を発車、那覇空港の国際ターミナルに到着したのは9:40であった。まだチェックインカウンターは閉まってないはず。助かった。というかそもそも那覇空港で前日泊できていたらこんなに朝に分刻みで移動しなくても済んだのに、なにやら軍事上というか保安上の理由で夜間11時以降は閉め出さられるらしい。はぁ。なんでやねん。別に閉めるだけなら許すんだけど、それならせめてすぐ近くにカプセルホテルを誘致しておくとか代替案を用意しておいてもらいたい。

チェックイン窓口には行列などもなく秒で通過。保安検査も慣れたもので怪しいものなどなく秒で通過。ややテンパっていてスマホを落としたんだが無事だった。早くOPPOのケースを買った方が良さそうなので北京で探すことにする。そこからはそのままスムーズに搭乗ゲートまで進み、硬貨も500円玉1枚と10円玉1枚まで減らせた。釜山には現地時間で13:30に到着。




釜山にはトランジットとはいえ1泊するので現地通貨をゲットしなければならない。しかしいつものようにATMで引き下ろすと手数料として300~500円くらい上乗せされる。別に1万円とか2万円とかを下ろすなら誤差の範囲なので、次にまた韓国に来る予定でもあればそうしていただろう。

だけど僕は別に韓国大好き男子というわけではないし、トランジットするなら圧倒的にクアラルンプールを選択すると思うので、ここは現金で日本円の1000円札を両替してもらう。地味にこの両替という作業は国際キャッシュカードを持つようになってからご無沙汰であったが、それ以前のインド旅行とか短期留学とかでは毎回やっていたのだった。どこか懐かしい感覚。前回の仁川トランジットの時にも同様に両替していて500ウォンが余っていたが、それと合わせて95,000ウォンほどの現金をゲットした。1円=100ウォンというところか。計算がラクでいい。

空港から釜山市内まではメトロが伸びている。交通ICカードを作れば硬貨が余ってもカードに吸収させられるなと一瞬思ったけど、値段をよく見てみるとデポジット込みで500円くらい取られそうな感じだったのでやめておく。所持金の半分をこんなところで消すわけにはいかない。

路線図はハングルと英語の併記で書いてあったが、なんかごちゃごちゃしていて理解しにくい。とりあえず覚えやすそうなBuwonという街まで行ってみる。

が、ここは空港から見て市内中心部から反対側なのであった。は?なんでやねん。しばらく歩いてみたが飽きたので、面倒だがBuwonから再びメトロに乗って釜山市内に向かう。このメトロはだいたい130~150円くらいで乗れるんだが、回数が重なると所持金をどんどん削っていくのでこの時の僕にはキツかった。あと物価もせいぜい日本より少し安い程度なので夕食はこのままだと食べれなさそう。とりあえず昼食はコンビニの辛ラーメン。本場だからといって味に違いがあるわけではなかった。



Buwonから市内中心部へと向かったつもりが、下りた駅から市内までの間にはどうやら山が立ちはだかっているようだった。は?なんでやねん。少なくとも川はクリアしたっぽいけど、これは山を越えないといけないということか。トンネルは自動車専用道らしいからチャリですら難しそうだな。

ということで山に登った。道路標識がことごとくハングルなのでよく分からないんだが、なんとか夕日で方向を推測しつつゴリ押していくとピークがあり、反対側に下りることができた。

 

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山を下りてみるとそこは釜山の市街地だったが、なにせ寒いのであまり楽しめない。

 

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途中でこのような看板を見つけて「ヘルシキク」ってなんだろ?ヘルシーキグ?健康用品か?と思ったところ、まさにその通りだったのでとても嬉しかった。

 

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それ以外は本当にハングルが読めないというか、ゆっくりゆっくりなら読めるけど、読めたところで意味が分からない単語がとても多いのでつまり読めなかった。日本語と中国語の知識を総動員しても、あとは状況判断で補っても、いい時で半分くらいしか意味が分からない。ただ勉強はしやすそうな感じなので中国語の次に習得するならフランス語じゃなくて韓国語だろうか。



Sports Complexというメトロの駅に辿り着いたので、ここから空港に戻って夜を過ごすことにする。どうやらSasangという駅で乗り換えのようだ。近くのコンビニでチケット代以外の所持金をすべてカップラーメンにつぎ込む。例によって店員さんは韓国語で話してくるが一言も分からない。まぁ半日だけなので特に勉強しようとは思わないが、それでもせいぜい値段と”袋要りますか”くらいは聞き取りたいもの。



チケットを買うことでうまく現金を使い切ったのだが、しかしここでトラブルが発生した。どこの駅かは忘れたのだが、とにかくSasangとは逆に向かっていることに気づいた。別に表示が読めていないから逆方向のホームに行ってしまったくらいは想定内だったが、しかし想定外だったのは下りた駅には”反対側ホームへの連絡通路がない”ということ。は?なんでやねん。普通は改札でホーム同士を分けんやろ?改札とはホームと外部を仕切るべきやろ?しかも駅員さんがいないから相談できないじゃん。



ここで僕の頭に浮かんだ選択肢は


1、 改札に今持っている切符を吸い込ませてから、地上でATMを探し、2000円分くらい下ろして空港までのチケット代と夕食代にする。


2、 もう少し先の大きそうな駅まで乗り、連絡通路があれば方向転換し、なければ駅員さんに相談する。


3、 改札の横は柵が低くて乗り越えられそう。利用客は少ない。監視カメラは死角がある。韓国はあと数時間で出国してしばらくは再入国の予定がない。【省略】

あえてどれを選択したかは明言しないが、これ以降の記述から推測していただければと思う。



とにかくSasangまで着いたものの、ここで次なるアクシデントに見舞われた。“空港までのメトロに乗り換えるには新しいチケットが必要”なんだとか。あと100円分くらい足りない。たぶん現金をラーメンに投下してなくてもこれは現金不足に陥っていたことだろう。だから物価が高い国はいやなんだよ。というか電子マネーを現金化するときのロスといかコストというヤツはどうにかならんもんかね?ビットコインって概念としてはけっこう可能性があると思うんだが。

ということでやっぱりATMで現金を追加することにした。というかそれ以外に選択肢がないと思う。チケットをクレカで買えたら話は別だけど、そうではない。

この時はMapsMeが反応していたのでATMをすぐに発見できた。2000円ほどをゲットし、空港までのチケットを買い、残りは釜山のどこかのレストランに投資することにした。まぁこれも1つの正解なんだろう。



しかし、ここでも表記がハングルのためにどういう料理なのかよく分からない。あと物価が高すぎて1500円以上飛んでいきそうで怖い。2回目のキャッシュ不足とかイヤだぜ?ということでたどり着いたのはショッピングセンター最上階のフードコート。安全策ですね。もう21時に近いということもあって客は少ないし、そもそも店が4つしかオープンしてない。あと店の人が店頭にいない。うーん。

うろうろしながら見回してみると食券販売機を見つけた。食券制のフードコートってあるんですね。

韓国らしい料理ということでビビンバを注文。このへん僕はかなり安直である。ここまで来てピザを食べる気にはならない。特に半日しかいないので妥当で失敗しなさそうな道を選んでいく。

 

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つもりだったけど、そうは問屋が卸さないってやつだった。食券を買うプロセスで店の人とのやりとりは一切なかったんだけど、いざ料理を受け取るときに変な顔をされたような気がして、なんやと思ったらビビンバの鍋が異様にデカく、箸が2膳、スプーンが2本、そしてスープも2杯ついていた。

この日の僕には連れはいないが、どうやら2人前を頼んだらしい。よくよくレシートを見返してみると”ビビンバ”の後に”2人前”とちゃんと書いてあった。そういや食券を買う時に

「どうせ2000円分くらいあるから800円とかの料理じゃなくて一番高い1300円くらいの料理を頼んでやろう」

みたいに思ったのであった。それが2人前とは。まぁ別にいつものように朝からろくなものを食べていなかったのでお腹はとてもすいていて、2人前だけどペロリと平らげた。ちなみに2人前だけどたぶん普通の状態の平均的な人間2人にはやや多い量だろうなと思った。

 



腹が満たされたところで、満を持して空港に戻った。無事にチケットについては問題なく、寝やすそうなソファを発見し、やれやれ静かで寝やすそうな空港だなと思った。



が、さすがに静かすぎる気がする。あとアライバルの電光掲示板を見ると深夜便や早朝便の記載がない。



は?なんでやねん。



空港のフリーWiFiに接続して調べたところ、那覇空港と同じように釜山の空港でも深夜の滞在はできないらしい。おい。許さぬ。



ここまでの移動と食事で所持金は紙幣53,000ウォン残してキレイになくなっている。いちおうアゴダで格安のドミトリーを検索してみたが、そこまでの往復代金は60,000ウォン。。。空港から市内までは大きな川が隔てていて、線路と高速道路以外だとだいぶ北に行かないと渡れなさそう。どうしてこうもクソなのか。加えてアゴダについてはアカウントがバグっていて予約がうまくできない状態になっていた。もちろんATMは論外。両替屋も深夜で閉まっている。地図で空港周辺を調べてみるが、特に目ぼしい建造物があるわけではない。もちろん期待はしていなかったが。

ここで僕の頭に浮かんだ選択肢はただ1つ。

 



野宿。

 



釜山の夜は氷点下まで冷え込むらしい。しかし時刻は22:40であり、空港内でグズグズしているヒマはない。あと20分で追い出される。

トイレに駆け込み、持っている洋服をすべて着込む。とはいえ上下の下着、ズボン3枚、シャツ3枚、ベストとジャケット、くらいしか持っていなかった。那覇ユニクロに行ってウルトラダウンでも買っておけば良かったが、後悔してもただの時間のムダ。



一瞬「このトイレの個室で夜を明かせないか」と考えたが、そのくらいは巡回するだろうし発見された時のペナルティーを考えると面倒臭い。



ということで諦めて空港の外へ。いや、いちおう諦めは悪くて隣のバスターミナルの待合室に入って「ここは夜間は閉まるんですか?」と聞いてはみたが「今ちょうど閉めるところだよ。しっしっ」みたいにあしらわれたので退散。外は、、、まぁ耐えれそうな寒さ。

夜明け前が一番寒いので、それまでに可能な限りの睡眠をとっておくのが賢明である。(いや、野宿に賢明とかがあるのかは知らない)  少なくとも歩行者からは見えないようなベンチの裏に寝っ転がり、2時間ほど仮眠を取る。体温は地面からグングン吸収されるので、地面と接しているところにサンダルや袋をあてがう。足はザックに突っ込む。



2時間はなんとか寝れた。しかし3時間もすると体温が低下してきているのを感じた。じっとしていると発熱量が低下するので仕方がない。チョコを持っていたので食べる。軽く腹筋をやってみる。それでも寒いので立ってみる。寝ているより立ったほうが寒くない。



と、ここで立ち上がってふと空港ターミナルを見てみると、なんと巡回していた警備員がこちらを見ているではないか。100mくらい離れているが、ここには街灯が当たっていてそこまで暗くはないので向こうから見えているかもしれない。別に野宿は犯罪ではないのでは?別に今から空港に不法侵入しようとしているわけじゃないですよ?なんていう理屈はこの国では通用しないかもしれない。司法がノーといえばノーなのである。それならば早めに逃げた方が賢明であろう。(いったい賢明とは何なのか)


寝ているのが寒いという理由もあるし、ここからは空港が開く朝の5時まで歩き続けてみることにする。オフラインマップで確認すると、空港の敷地は2時間くらい歩けば一周できそうだ。遠回りしてゆっくり歩けばちょうどいい。

ということで人の誰もいない空港の周りを歩いていく。24時間営業のコンビニが2軒あったが、入ろうとするとどちらも閉まっていた。どうやら1日は24時間より長いらしい。知らなかった。



コンビニを通り過ぎたところでホテルを発見してしまう。しかもこっちはちゃんと営業してそうだ。しかしアゴダでちらりと見た感じでは正規の値段で1泊1万円はしそうだ。そもそもフライトは8:00なので、1泊どころか4時間とかその程度の滞在になる。なんならロビーで寝させておいて欲しいが、フロントのスタッフに怒られて追い出される未来が見える。おとなしく散歩を続けていく。



空港ターミナル入口とは反対側に来た。なにやらよく分からないが大型トラックとか作業場が並んでいる。飛行機の整備とかに関係しているんだろうか。

眠いのでよく覚えていない。寒いのでうまく考えられなかった。歩きながら眠りそうだった。というか既に半分眠っているような状態。

 

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地図を見て歩こうと思っていたルートはもっと遠くまで行くようだったが、ちょうど空港のフェンスがあってそれ以上先には行けないようになっていたので、ショートカットしてターミナルに戻ることにする。ちなみに例の24時間営業のコンビニはこの時も依然として閉まっていた。



空港ターミナルビルの近くに戻ってきたが、開くまではまだ2時間くらいあった。さすがに寒すぎて寝られない。どうしようかと思いながら歩いていると、駐車場のトイレが開いているのを発見した。風はないにせよ屋内に入れるのはありがたい。しかし暖房が効いていないので屋外と同じ気温になっていた。車イス用の個室に入り、鍵を閉め、しばらく座って寝た。やっぱ徹夜はきつい。



1時間ちょっと経っただろうか、時計を確認すると4:20になっていた。空港ターミナルの入口の前に移動してそこでドアがあくまで待つことにする。と思ったら、どうやら空港がオープンするのは4:30だったらしい。30分ぶんの体力をさらに消耗するのはさすがにきつそうだったし命拾いした。空港に入るやいなや例のソファに寝っ転がって2時間ほど寝た。起きると空港内にはそれなりに人がいて驚いたが、そんなことよりチェックインの手続きをしていく。


今回使ったのはJin Airなんだが、なんとチケットを自動発券機にて一瞬でゲットできた。LCCだとオンラインチェックインとか自動発券とかでできないイメージだが、実に便利なサービスである。

搭乗までは時間があったので、さっさと保安検査やら出国審査やらを通過してベンチでまた寝る。起きるとかなり気分が良くなっていて、時間もちょうどいいくらいだった。

搭乗のアナウンスがかかり、早く乗り込みたい人たちの行列を横目にトイレに行き、いざ乗り込もうとしたんだが、なんとこんなところで思わぬハプニングが発生。

 



ゲートでチケットを渡してピッとしてもらうと、赤いランプが光ってブザーが鳴ってゲートが閉まった。まさかの搭乗拒否。



は?なんでやねん。

 



なにやら自動発券したので確認されなかったが、実は北京から中国に入国する人は出国のチケットを提示しないといけないらしい。そんなものは持っていない。北京から入国して陸路で北朝鮮に行くつもりなんですが?ビザもチケットもツアーのガイドが直前まで持っているのですが?というのを説明していくのはややリスキーだったし、そもそも北朝鮮は入国の記録が残らないので、

「中国の次は陸路でモンゴルに行くんです。チケットは今は持っていませんが、北京でイミグレを通る前に空港のネットにつないでチケット購入しますので乗せてください。」

と頼むと、なにやら無線で誰かと相談した結果「問題ない」ということになったらしい。この時の「ケンチャナヨ」は不思議によく聞き取れた。

 



とにかく色々あったけど、釜山から北京に飛べた。

とりあえずここまで。めでたしめでたし。