ヤマダイスキーの旅日記

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【その8・平壌のホテル】北朝鮮ツアーの記録 (2019年2月15日)

北朝鮮に関する記事は全部で15あります。こちらの記事に一覧にしています。

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レストランは平壌の中心部にあり、食後の散歩というのはつまり平壌で最高の街並みを見るということだった。

 

そしてこれがなかなかすごい。

 

ここは外国人の目によく触れるから政府が最優先で整備したというのは分かっているけど、そのうえで北朝鮮政府が本気で都市設計するとこんな感じになるのか」というのが理解できた。街灯が少ないから暗いことはすごく暗いけど、なんというかゴミゴミさが完全に排除されている。レジ袋が1つだけ風に飛ばされていて「お、ゴミ袋だ!」と思うレベルにゴミが落ちていない。このあたり東南アジアや南アジアとはさすが一線を画するといったところか。

 

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18:30撮影

 レストランの前の大通り。雪が積もっていなかったらもっと暗いんだろう。ちなみに北朝鮮ではそこまで雪が積もらないらしくて、僕らが到着したちょうどその日にこの初雪が降ったらしい。

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19:40撮影

 

北朝鮮は経済レベルというか発展具合としてカンボジアベトナムとだいたい同じカテゴリーだと思ってもらっていいが、少なくとも平壌プノンペンよりすごい。ただしハノイには高級ホテルがぼんぼん建ってたから平壌より上かもしれない。

 

散歩はあっさり終了した。普通に寒かったこともあるし、この整備された大通りも別に何キロも続いているわけではない。そもそも、あまり長いこと散歩していると暗すぎて誰か迷子になってしまうからかもしれない。わざとじゃなくても北朝鮮で迷子になったらかなり大変な事態になるだろうな。そこからホテルに向かうため再びバスに乗る。

 

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この床のピカピカ具合、たぶん清掃スタッフが上司に怒鳴られながら磨いたんだろうな。いやそもそも客があまり泊まっていないから汚れる機会もあまりないのかもしれないが。

 

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翌朝に撮影

なお泊まったのは「ソサン・ホテル」というところ。日本人がツアーに申し込むと「高麗(コリョ)ホテル」っていう場所に泊まることが多いらしいけど、このソサン・ホテルというのも似たようなもので外国人専用になっている。

 

ちなみにこの真ん中の茶色い建物が高麗ホテル。

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そして「世界最大の廃墟」「滅びのホテル」として悪名高い「柳京(リュギョン)ホテル」がこれ。数年前に工事が再開されたらしく、今回もちゃんと上部だけは鮮やかにライトアップされていた。ガイドによるとテナントを募集しているけどなかなか集まらないんだとか。

 

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平壌の「滅びのホテル」に浮かび上がる国旗、ついに一部オープンか 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

 

 

話をソサン・ホテルに戻す。

 

ホテルのスタッフはもちろん全員北朝鮮出身だけど、カタコトの英語とカタコトの中国語なら通じた。さすが外国人相手の仕事をする人はいろいろ訓練を受けているのかもしれない。

いや、といっても人によってはまったく英語が通じないとか、僕なんかより中国語が初心者という人もいた。


あと個人的に思っていたこととして「北朝鮮の女性は常に愛想笑いを浮かべている」というようなイメージがあったんだけど、そこは中国人と同じというか、面白いことが特にないときは面白くない顔をするというスタンスらしい。というかその、外国人の僕らをどこか遠くからボーっと見ているというか、どこか話しかけられたくないし目も合わせたくないというようなオーラも感じたような気がした。



これは最初イギリス人に言われて「ああそうかもな」と思ったことでもあるんだけど、その理由というか心理としては「外国人は憎むべきである」みたいな教育を受けたからではなく、もっと東アジア特有の「ダイレクトな視線を無意識に避けたがる」というようなものがあるんじゃないかと思った。

 

東京や大阪には外国人が多いから現地の日本人も慣れているけど、北海道とか四国とかで外国人グループが旅行していたら「ちょっと距離を置きたいな」と思う人も少なくないのではなかろうか。たとえホテルやレストランやスーパーで働いてても、外国人への接客は慣れていないから避けたがると思う。そもそも日本人同士でも直接的なコンタクトってちょっと抵抗があるでしょ?



こういうアジア文化圏とヨーロッパ文化圏でのコミュニケーションにおける作法の違いというのはいつか別の記事にしようと思う。



ともあれ夜だからバーで地ビールを飲む。テドンビールという名前のやつで、650mlが7元(≒120円)だった。テドンというのは平壌を南北に走っている川の名前なんだとか。これでも物価が安いように感じるが、現地の北朝鮮ウォンではなく中国元で払っていることから分かるように観光客プライスになっている。あとでマーケットに行くけど現地の実際の物価はさらに安い。

 

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 隠し撮りみたいになってしまったが一番右がイギリス人ガイドのニック。

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プールとか床屋とかマッサージとか書いてあるが、夜の10時だったのでほとんど閉まっていた。あと英語併記なんてホテル内でもここくらい。ほかはすべてハングル。



特に動き回ったわけでもないが、長い1日だったことは確かなのでビール1瓶だけ飲んでさっさと寝た。部屋は相部屋でイギリス人と一緒だったけど、普段ドミトリーで寝ているから珍しくホテルのふかふかベッドで寝れて感激だった。ただ男2人というのはちょっとアレなので、できれば4人部屋が良かったなぁとも思う。

 

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ちなみに北朝鮮ではWi-Fiどころかネット環境がない。ここ最近になって独自のデータ通信システムが整備され、一部の特権的な平壌市民がケータイを持つようになったらしいけど、基本的に北朝鮮ではインターネットがない。

 

そしてそのためかどうかは分からないけどメガネをしている人はとても少なかった。娯楽がなさそうだけど、80年代や90年代の世界ってどこもこんな感じだったのかもしれない。そんなに悪いものじゃないな。

 

 


  

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