ヤマダイスキーの旅日記

アウトドア全般、海外移住、資格試験、ウェブ開発などの話をします

【その9・平壌観光スタート】北朝鮮ツアーの記録 (2019年2月16日)

 


  

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さて、今日が金正日誕生祭の当日である。日本の祝日と似ていて、国民は特に予定がなければ11時くらいまで寝ていることが多いらしい。意外とたまにはダラダラするんだな。むしろ僕は旅に出てから10時以降に起きたことなんてほとんどないが。


ホテルからツアーのスタート地点までは再びバスで移動。ここでもローワンやカンさんが追加で情報をくれる。


平壌に住んでいる外国人は100人ほどいるが、大使館職員や外交官、もしくはNGO職員だけだという。なお彼らは現地ガイドをつけなくても自由に市内を歩き回れるし、自家用車の保有が許されているし、スーパーでも買い物ができるらしいが、公共交通機関は使えないらしい。なおこの交通機関というのはバスとタクシーとメトロなんだが、6年前にはタクシーなんてなかったという。インフラが着々と整備されているようだ。


いや、解体されていない廃墟も多いけど。 

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まずは本屋に到着。ここには外国語で書かれたさまざまな本が売られている。ほかにも共産党のポスターとかバッジとかが売られていたけど、特に興味はないのでよく見ていない。ちなみに北朝鮮の国民はほぼ全員が胸に指導者2人の肖像の入ったバッジをつけている。外国人の場合このバッジは難しい試験や数多くの面接を経なければゲットできないらしいが、ローワンに頼めば中国にてそっくりのパチモンを入手してくれるとか。。。

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北朝鮮の国民なら全員つけているバッジとは?


国外だったら発禁とかになりそうな内容の本がずらりと並んでいて、全部買い占めて日本に持ち帰りたい気分になった。


もうプロパガンダの塊みたいな空間で、これから国際政治を勉強しようという人間にはとても興味深い。それに日本語や中国語はもちろんスペイン語やロシア語などでも出版していて、当局にはいろんな言語を習得した人がいるんだなということが伝わってくる。

 

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ただし日本語コーナーを立ち読みする限り、決してネイティブレベルの言語能力に達しているとは言い難い。これについては買った本がネット上で公開されているようなので、そちらをちらっと参照してもらえれば分かると思う。


チュチェ思想問答」外国文出版社

http://www.korean-books.com.kp/KBMbooks/ja/book/politics/4040.pdf


バックパッカーとして荷物は増やせないので、薄めのブックレットを2冊だけ買った。上のリンクのほかは韓国語のテキストである。ネットがないから移動中とかヒマなときに頑張って覚えていったが、せいぜい15~20フレーズくらいが限界だった。おまけとしてカレンダーももらったが、デカいし旅人にはカレンダーを掛けるような機会もないので、これは北京に戻った時に友人にあげた。

 

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ってか今レシートを見直して気づいたけど、これ現地通貨で買ってたら10,000ウォン≒140円くらいなのか。中国元でもっと悪いレートで買わされた気がする。もっともこのときは現地通貨なんて持ってなかったから仕方ないか。

 

ちなみに北朝鮮ではもちろんクレジットカードが使えない。技術的には可能なんだろうけど、経済制裁で電子上のマネーは凍結するリスクがあるからとかだろうか。いや中国や日本も現金主義だから東アジアの文化なのかもしれない。 

 

 


 

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【その8・平壌のホテル】北朝鮮ツアーの記録 (2019年2月15日)

北朝鮮に関する記事は全部で15あります。こちらの記事に一覧にしています。

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レストランは平壌の中心部にあり、食後の散歩というのはつまり平壌で最高の街並みを見るということだった。

 

そしてこれがなかなかすごい。

 

ここは外国人の目によく触れるから政府が最優先で整備したというのは分かっているけど、そのうえで北朝鮮政府が本気で都市設計するとこんな感じになるのか」というのが理解できた。街灯が少ないから暗いことはすごく暗いけど、なんというかゴミゴミさが完全に排除されている。レジ袋が1つだけ風に飛ばされていて「お、ゴミ袋だ!」と思うレベルにゴミが落ちていない。このあたり東南アジアや南アジアとはさすが一線を画するといったところか。

 

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18:30撮影

 レストランの前の大通り。雪が積もっていなかったらもっと暗いんだろう。ちなみに北朝鮮ではそこまで雪が積もらないらしくて、僕らが到着したちょうどその日にこの初雪が降ったらしい。

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19:40撮影

 

北朝鮮は経済レベルというか発展具合としてカンボジアベトナムとだいたい同じカテゴリーだと思ってもらっていいが、少なくとも平壌プノンペンよりすごい。ただしハノイには高級ホテルがぼんぼん建ってたから平壌より上かもしれない。

 

散歩はあっさり終了した。普通に寒かったこともあるし、この整備された大通りも別に何キロも続いているわけではない。そもそも、あまり長いこと散歩していると暗すぎて誰か迷子になってしまうからかもしれない。わざとじゃなくても北朝鮮で迷子になったらかなり大変な事態になるだろうな。そこからホテルに向かうため再びバスに乗る。

 

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この床のピカピカ具合、たぶん清掃スタッフが上司に怒鳴られながら磨いたんだろうな。いやそもそも客があまり泊まっていないから汚れる機会もあまりないのかもしれないが。

 

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翌朝に撮影

なお泊まったのは「ソサン・ホテル」というところ。日本人がツアーに申し込むと「高麗(コリョ)ホテル」っていう場所に泊まることが多いらしいけど、このソサン・ホテルというのも似たようなもので外国人専用になっている。

 

ちなみにこの真ん中の茶色い建物が高麗ホテル。

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そして「世界最大の廃墟」「滅びのホテル」として悪名高い「柳京(リュギョン)ホテル」がこれ。数年前に工事が再開されたらしく、今回もちゃんと上部だけは鮮やかにライトアップされていた。ガイドによるとテナントを募集しているけどなかなか集まらないんだとか。

 

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平壌の「滅びのホテル」に浮かび上がる国旗、ついに一部オープンか 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

 

 

話をソサン・ホテルに戻す。

 

ホテルのスタッフはもちろん全員北朝鮮出身だけど、カタコトの英語とカタコトの中国語なら通じた。さすが外国人相手の仕事をする人はいろいろ訓練を受けているのかもしれない。

いや、といっても人によってはまったく英語が通じないとか、僕なんかより中国語が初心者という人もいた。


あと個人的に思っていたこととして「北朝鮮の女性は常に愛想笑いを浮かべている」というようなイメージがあったんだけど、そこは中国人と同じというか、面白いことが特にないときは面白くない顔をするというスタンスらしい。というかその、外国人の僕らをどこか遠くからボーっと見ているというか、どこか話しかけられたくないし目も合わせたくないというようなオーラも感じたような気がした。



これは最初イギリス人に言われて「ああそうかもな」と思ったことでもあるんだけど、その理由というか心理としては「外国人は憎むべきである」みたいな教育を受けたからではなく、もっと東アジア特有の「ダイレクトな視線を無意識に避けたがる」というようなものがあるんじゃないかと思った。

 

東京や大阪には外国人が多いから現地の日本人も慣れているけど、北海道とか四国とかで外国人グループが旅行していたら「ちょっと距離を置きたいな」と思う人も少なくないのではなかろうか。たとえホテルやレストランやスーパーで働いてても、外国人への接客は慣れていないから避けたがると思う。そもそも日本人同士でも直接的なコンタクトってちょっと抵抗があるでしょ?



こういうアジア文化圏とヨーロッパ文化圏でのコミュニケーションにおける作法の違いというのはいつか別の記事にしようと思う。



ともあれ夜だからバーで地ビールを飲む。テドンビールという名前のやつで、650mlが7元(≒120円)だった。テドンというのは平壌を南北に走っている川の名前なんだとか。これでも物価が安いように感じるが、現地の北朝鮮ウォンではなく中国元で払っていることから分かるように観光客プライスになっている。あとでマーケットに行くけど現地の実際の物価はさらに安い。

 

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 隠し撮りみたいになってしまったが一番右がイギリス人ガイドのニック。

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プールとか床屋とかマッサージとか書いてあるが、夜の10時だったのでほとんど閉まっていた。あと英語併記なんてホテル内でもここくらい。ほかはすべてハングル。



特に動き回ったわけでもないが、長い1日だったことは確かなのでビール1瓶だけ飲んでさっさと寝た。部屋は相部屋でイギリス人と一緒だったけど、普段ドミトリーで寝ているから珍しくホテルのふかふかベッドで寝れて感激だった。ただ男2人というのはちょっとアレなので、できれば4人部屋が良かったなぁとも思う。

 

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ちなみに北朝鮮ではWi-Fiどころかネット環境がない。ここ最近になって独自のデータ通信システムが整備され、一部の特権的な平壌市民がケータイを持つようになったらしいけど、基本的に北朝鮮ではインターネットがない。

 

そしてそのためかどうかは分からないけどメガネをしている人はとても少なかった。娯楽がなさそうだけど、80年代や90年代の世界ってどこもこんな感じだったのかもしれない。そんなに悪いものじゃないな。

 

 


  

次の記事はこちら。

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【その7・平壌に到着】北朝鮮ツアーの記録 (2019年2月15日)

 


  

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ガタゴト揺られることしばし、列車はようやく平壌駅に到着した。もうとっくに日が暮れていて、駅を出たら真っ暗だ。今日の予定というのは特になくて、レストランで食事→すこし近くを散歩→ホテルにチェックインして就寝、だけ。

 

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暗い。京都より暗い。


駅からレストランまではバスで移動する。普段は自力で客引きと交渉するか諦めて歩くかなので、こういうラクさがいかにもツアーという感じだ。

 

この車内で北朝鮮の現地ガイド2人のうち男性ガイドがいろいろと基礎情報を教えてくれる。僕は修学旅行のバスレク中にずっと眠りこける人間だったんだが、さすがにこのガイドの話はちゃんと聞いておいた。



平壌の市内人口は300万人だとか、市内の面積はこれこれで何個の地区に分けられているだとか、市内には24の大使館があるとか、朝鮮戦争のときに ”foreign forces” によって韓国と分断されてしまったのは ”disaster” だったが、国民は朝鮮半島の統一を望んでいるだとか、数年前に国連の経済制裁でエネルギーが枯渇して電力不足に陥ったとか、今年の冬は暖くて雪が降ったのは今日が最初なんだけど、地球温暖化の影響かねぇとか、Good peopleはGood weatherを持ってくるんだけど君たちはどんな人たちなのかねぇとか、そんな話だった。



こういう現地ガイドって北朝鮮のすばらしさを全力で洗脳してくるのかと思っていたが、本当にありのままの情報をできるだけ客観的に隠さず伝えようという姿勢が伝わってきた。もっともこれはガイドやツアー会社にもよるのかもしれない。



ちなみに男性ガイドは若いとき外交官か政府の役人になりたかったらしいが、採用試験だったか学校の成績だったかが振るわずにツアーガイドになったと話していた。英語は流暢とまではいかないが、しっかり勉強したんですねということは分かった。そして名前は失念してしまった。というか旅行記渡航1ヶ月以上もあとになるまで書けないとは思わなかったからメモしていなかった。なんとなく名前にKの音が入っていたような気がするので、これ以降ではカンさんと呼ぶことにする。(おい)

 

あと写真や動画を見返してみたんだけど写っていないようだった。(おい)



女性ガイドは若くて美人で、わりとサポート役という感じだった。ただ彼女の話しぶりもほとんどバイアスがかかっておらず、聞いていて気持ちよかった。苗字は忘れてしまったが名前はウンギョン。これについては一度名前の意味を聞いてみたとき「銀」と「雪」みたいに答えてくれて、今調べなおしたら「銀=ウン」というのが出てきたのでたぶん合ってる。(だからメモしとけよなぁ) 

 

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さて、駅からレストランにはすぐに到着した。

 

そして北朝鮮の料理は、これまで貧乏旅行を続けてきた僕には天国かと思えるようなものだった。簡単に言うと「ビュッフェ」。

 

もっともこれは中国式スタイルなだけで、円盤テーブルを回して好きなものを好きなだけ取って食べるというもの。いや、つまりビュッフェ。

 

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暗いのはご容赦。あんまり他人の鮮明な顔写真をアップしたくないし。

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キムチは全然辛くない。

 

もうお腹いっぱい食べました。あとここでビール飲みました。

 

前払いでツアー代金9万円を払っていることはそうなんだけど、とにかく支払いを気にせずバクバク食べれるというのは最高な気分になれる。それに対して社会人はそういう「がめつさ」がなくて、仙人のようであった。

 

いや、ひょっとすると客観的にはそこまで絶品というほどの料理じゃないのかもしれない。普段の食生活が違うから僕の味覚はあまりあてにならない。

 

 


  

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【その6・平壌へ】北朝鮮ツアーの記録 (2019年2月15日)

 


  

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イミグレはやたら時間がかかるだけで何事もなく終了し、列車が動き始めた。

 

待ってましたとばかりにみんなカメラでバシャバシャ写真を撮っていくんだけど、実は2019年から日本人はカメラの持ち込みが認められなくなったらしい。日本製のカメラは高性能すぎてよく分からない機能がついてそうだから、とかそんな理由だろうか。まぁ認められてても僕の財力では一眼レフとか買えっこないし、さらには買えたとしても大きいし重たいしなので買わないだろう。なので僕はスマホでえっちらおっちら撮っていく。朝まで降っていた雪が溶けたせいで窓が汚れていて、なんか外に出て拭きたい衝動にかられた。開きそうな構造をしているのになんか窓が開かないし。

 

それでもこういう写真が撮れた。なるほど北朝鮮に入ったらしい。

 

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入口の上に書いてある「ロハ」がどういう意味なのかは調べてもよく分からなかった。地名なのか?

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車内からツアー客が手を振ってみると、地元の人もたまに手を振り返してくれる。寒そうというか寒い。

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朝鮮半島の伝統的な家屋というところか。貧しいことは確かだろうなと想像する。なんかコメや野菜がなかなか育たなさそう。
 

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 車の運転は政府関係者や軍人にしか許されていないらしく、田舎では歩いている人がとても多かった。あとは雪が積もっているけど自転車に乗っていた。

 

 

最初はもの珍しがってパシャパシャ写真を撮っていたものの、3時間もすればみんな飽きてきて車内でのんびりおしゃべりをしていく。やっぱり北朝鮮に行く人というのは旅慣れている人が多いもので、特に僕も含めて世界一周中だというのも何人かいた。西回りの人にはのちほど会うだろうし、東周りの人はいろいろ中央アジアやモンゴルの情報なんかを持っていた。ガイドブックよりこういう生で新鮮な情報のほうが役に立つ。

 

 

ただ意外に多かったのは仕事でちょっと休暇があったから弾丸で北朝鮮に行ってみようと思ったというパターン。特に中国や東南アジアで働いている人は春節の延長として休暇が比較的取りやすいらしく、近くのここまで足を延ばしてきたという。うーん、海外勤務ってやっぱ楽しそうだよなぁ。

 

 

そしてみんな北朝鮮については危険という印象は持っていなかった。「閉鎖的でどんな国かよく分からない」「経済発展はしていないから生活水準は途上国レベルだろう」「軽犯罪は厳しく罰せられるからあまり起きなさそう」というのがみんなの共通認識だった。僕もだいたいそんな感じ。このあたりは過去に記事を書いたので参照してもらいたい。

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いちおう寝台列車なので寝不足な人はいつでも寝れるようになっていた。時差ぼけの人は少なかったが、ここまでの移動が僕なんかよりずっとシビアな人もいた。仕事を終えてから急いで駆けつけてこのツアーが終わったらトンボ帰りするらしい。お疲れ様です。

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あ、ちなみに昼ごはんは弁当が配られた。なぜかもち米。けっこう美味しい。

そしてみんな箸の使い方に苦労しているようだった。アジア滞在歴がどれだけ長いかは箸の使い方を見ればよく分かる。

 

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【その5・入国審査】北朝鮮ツアーの記録 (2019年2月15日)

 


  

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中国側の丹東と北朝鮮側の新義州の間には2本の橋がかかっている。

 

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1つは歩行者や自動車が通るような橋で、夜にはこのように綺麗にライトアップされる。しかし奥の方までよく見てみると、この橋は北朝鮮側でブツリと途切れている。

 

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やけに橋の周りのセキュリティが甘いけど大丈夫なのか?と思ったけど、この橋で対岸に行くのはムリそうだ。橋の上には多くの中国人がいて写真をパシャパシャ撮っていた。

 

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そもそもこの橋は日本軍が朝鮮半島を統治していた時代に建設したものだが、朝鮮戦争のときに米軍が空爆して破壊したらしい。 それをそのまま保存しているんだとか。

 

そしてもう1本は鉄道専用の橋で、上の写真もそこから撮った。1日に何本の列車がこの橋を通るのかは分からないが、片手で数えれる程度だろう。

 

さて、ここからはイミグレの近くなので写真や動画は禁止されている。文章だけで説明しよう。

 

 

丹東を出発した列車は橋を渡り終えたところで停車し、北朝鮮のイミグレ職員が各車両をまわって入国審査をしていく。車内から寒いプラットフォームに下りるのは気が引けるのでラクだ。僕を含めてみんな北朝鮮の人に会うのは初めてなのでかなり緊張していたが、ガイドのローワンが職員と冗談を言い合って笑っているのを見て「あれ?めっちゃフレンドリーじゃん。なんだこれ」と拍子抜けしていた。そしてそれ以降は雪で滑りやすくなったプラットフォームをペンギン歩きというかヒヨコ歩きしている女性職員を見て大笑いしたりしていた。

 

っていうかローワンは中国語も韓国語も流暢なのか。さすがガイドなだけある。

 

 

時差を抜いて実質で入国審査が終わるまでに時間くらいかかったんだが、その途中でプラットフォームに雑貨や食品のカートが出てきて、みんなで北朝鮮のビールを買い漁っていた。750mlの瓶で10(170)らしい。僕はさすがに昼からビールを飲む気にはならなかったので遠慮しておいた。寒かったし。

 

 

ちなみに入国審査というのはそれなりに面倒なんだけど職員もかなりテキトーなもので、荷物チェックはザックの取り出しやすいところだけ、身体チェックも軽くポンポンするだけ、という感じだし、なんならチェックしていない荷物もあった。

 

ただし全員の持っているパソコン・タブレットスマホ・カメラの台数と機種をメモしていたり、名簿に載っている人がちゃんと列車に乗っているかを二重でチェックしたりと、独特のセキュリティーチェックもある。なお指紋や顔写真は取られない。またスマホ内の写真などはまったく見られなかった。

 

ちなみに乗客のパスポートとビザを回収したときに山のように積み上げて職員がどこかに運んでいたけど、躓いて転んだらぶちまけちゃって大変だろうな、なんてムダなお節介を心の中でしていた。いろいろ突っ込みどころが満載な入国審査である。

 

 

聖書やコーラン北朝鮮に関するガイドブックは持ち込み禁止なのだが、僕はリーチャイルドの小説(英語)数独(っていうパズル)の2冊を持っていて、職員に「ふーん、これは小説なのね?」みたいに言われた。英語の読めない職員だともっとややこしいことになっていたかもしれない。本は持っていかないか、ザックの奥底にしまっておくと無難かと思う。

 

また職員が僕のパスポートを受け取ったときに「イルポンニン?ほぉー」みたいな反応をしていた。2018年には300人くらいの日本人が訪朝したっていうからそこまで珍しがらなくてもいいのではないか?と思ったけど、おとなしくスルーしておいた。基本的に北朝鮮が敵視しているのは「アメリカ合衆国」なのであって、韓国は同じ民族の国家、日本はいろいろ歴史があるけどただの隣国、というような感情を持っているようだった。

 

 

よっぽど複雑な事情を抱えている人でない限り、あとはアメリカ人でない限り、入国審査はスムーズに終わる。ただしツアー客以外にも出稼ぎから帰る北朝鮮の人が多く乗っているため、2時間くらいヒマな時間を過ごすことにはなる。

 

 

 


 

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京大探検部の紹介

前記事に続き、京都大学探検部の紹介もしておきます。

  

 そもそも探検部とは?

「探検部」と聞いて、その活動内容を正確に想像できる人は少ないのではないでしょうか。高校生だけでなく、多くの大学生から

「探検をするんですか?どこを探検するんですか?探検ってなんですか?」

と何度も聞かれます。

 

これに対する答えは大学によっても異なるのですが、僕が普段よく言うのは

「ちょっと前は沢登り、山登り、クライミング、洞窟探検とかをメインでやってたけど、ここ最近は海外にフィールドワークをしにいく人が多いよ。」

「生物学とか人類学とか民俗学とか経済学とか、それぞれの部員が専門というか興味のある分野について自分なりにテーマと渡航先と活動内容を決めていく感じ。」

「活動資金はバイトで貯める人もいるけど、大学とかが公募してる助成プログラムに応募して採択されることも多いよ。」

ということです。

 

意外かもしれませんが、今でもグーグルマップに載っていないエリアってあるんです。まだまだ探検はできる時代です。いや、いつになっても探検はできます。

 

 代表的な活動内容とは?

公式ホームページや公式ブログの活動概要はちょっと古いのでツイッターを見たほうがいいかもしれません。上で述べた以外にもカヌーとか自転車とかをやってます。 あとは11月のNFでゲルを建てるのも1つの活動でしょうか。

ようこそ!京都大学探検部へ (活動概要)

京都大学探検部 (旧・公式ホームページ)

京大探検部ブログ 探検部の紹介 (旧・公式ブログ)

京都大学探検部トップページ - 京都大学探検部 (新・公式ホームページ/ブログ)

 

twitter.com

やや長めの記事ですが、過去にこんな取材も受けたことがあります。

京大の「実は!」Vol.41 「京大の課外活動の実は! ~日本で初めて誕生した学生探検部、「京都大学探検部」に迫る!」 — 京都大学

ネット上で公開するほどではないかな?という活動も数多くあったりするので、そこは ぜひ実際に部室に行って聞いてみてください。

 

 他のサークルとの違いは?

僕は京大の山岳部やワンゲルやサイクリング部にも縁がある人間なんですが、それぞれの特徴をまとめるなら

 

山岳部=全力で難しい山に登りに行く。部員は基本的に沢登り、クライミング、雪山登山をすべてやる。全員参加のことが多い。

ワンゲル=楽しみつつレベルの高い登山をする。部員は「登山道メインで登る縦走グループ」「沢メインで登る沢グループ」に大きく分かれる。全員参加は少ない。

サイクリング部=自転車を使ったアウトドア活動全般をする。海外ツーリングや自転車での登山などもする。部員の多くが参加するイベントもあるが、個人のソロツアーも多い。

探検部=アウトドア活動はすべて対象。部としての活動はほぼ皆無で個人~少数でのプロジェクトが多いが、そのノウハウや情報は部の全体で共有される

 

こんな感じになるでしょうか。どこかから指摘を受けてしまうかもしれません。

興味があるなら実際にそれぞれの部室を訪ねてみるといいでしょう。だいぶ雰囲気が違います。

 

 ここ最近は具体的にどんな活動をしている?

僕が知っている限りで最近の活動としては「パプアニューギニアの奥地探検」が一番デカいでしょうか。

www.kikin.kyoto-u.ac.jp

 

また毎年のように何人かが「京大おもろチャレンジ」に採択され、大学から30万円の支援を受けています。これについては説明すると長くなるので公式サイトをご覧ください。過去の採択者一覧と渡航テーマもアップされています。

www.kyoto-u.ac.jp

 

ほかにも部員ごとにやっていることは様々です。

毎年発行している探検部の部報がありまして、ここに目次の一覧を貼っておくのでぜひ読みたいという方は ecku888★gmail.com まで連絡をください。見ての通りですがそれぞれが書きたいことを好きなように書いています。

ちなみに冊子ですがPDFでも配布ないし販売しています。

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 新歓はやるのか?

簡単に言うと、特に新入生の歓迎としては何もしません。ただしビラ撒きはします。(僕は京都にいないので「何もしないそうです」「しているそうです」というのが正確ですか…)

 

「その程度の情報も自力でゲットできないようなやる気と情報収集能力なんだったら来なくてもいい」

 

というのが言い分ですが、実際にはそういった一般的?な大学サークルの雰囲気がキライな人が多いからというのも理由の1つかもしれません。

 

 

ですが、京大の新入生で探検部に興味のある人はぜひBOX棟一番奥にあるE108に行ってみてください。来てくれた人は全力で歓迎しますし、探検部の雰囲気がよく分かると思います。 

 

京大農薬ゼミの紹介

 

今回はいつもと趣向を変えて、僕が所属している「農薬ゼミ」についての紹介をしたいと思います。

(とはいえ京大にはもう1年半近くご無沙汰なのですが、、、)

 

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これが2019年の新歓ビラです。僕がわざわざ改めて説明するほどでもないですが、めちゃくちゃ簡単にいうと

 

1、農薬をできるだけ減らしてミカンを栽培している

 

2、ミカン栽培を通して日本の農業について考えている

 

3、農業だけでなく社会問題や地域問題に広げて考えている

 

というのが概要です。

 

もっと具体的な活動内容としては

 

和歌山にあるミカン農園にて、年2~3回ほど病気や害虫の発生状況を記録する

 

毎週金曜日に担当メンバーがそれぞれの観点からプレゼンをし、その発表をふまえてディスカッションをする

 

という感じです。

 

 

実際にゼミや調査に参加してみないとイメージがつかないかもしれませんね、、、

 

京大新入生はもちろんですが、上回生や他大生の方が参加していただいても大歓迎です。実際に何人か社会人や他大生のメンバーがいます。

 

もっともゼミが高齢化してきているのでできれば新入生に入ってきてほしいのですが、、、

 

何人か現メンバーのコメントも紹介します。(僕は世界一周中でまったく参加できていないのでコメントも載せていません。)

 

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なお左下の石田教授はカザフスタンアラル海を長いこと研究してきた方です。

 

 

 

公式ホームページはこちら

dicc.kais.kyoto-u.ac.jp

 

ツイッターはこちら

twitter.com

 

そして最近Facebookのページもできたそうです。

www.facebook.com

 

興味があればツイッターFacebookで気軽にコメントしてみてください。

もしくはビラにも書いてありますが mikan.shinkanアットgmail.com にメールしてみてください。

 

 

秋にまたミカン販売の告知をするつもりです。