ヤマダイスキーの旅日記

アウトドア全般、海外移住、資格試験、ウェブ開発などの話をします

読書ログ「文章の裏ワザ」石黒圭

「文章の書き方」系の本を何冊か読んでいくと、だんだん重複した部分が出てくるようになった。今回はこの本で初めて知って、ふーんと思った内容について。

うまいラーメンの味をどう表現するか

様子を描写する

「特注の機械から出てくる縮れ麺は、美しい透明感とツルツルした光沢がある」

「"へいお待ち"と目の前に置かれたどんぶりからは、熱々の湯気が立ちのぼっていた」

感覚を具体的に書く

「手打ち麺のもちもち感がたまらない」「魚介スープの香りが立っている」

食べ終わった感想を書く

「麺を完食、さらにはスープも飲み干して、すっかり満足。ごちそうさまでした」

理由を詳しく説明する

「この特製スープは店長が3年間も試行錯誤して作りあげたそうだ」

「手打ち麺の原料には、カナダ産の最高級小麦が使われている」

ほかと比べる

「ラーメン激戦区の今出川通りでも1、2位を争うおいしさだ」

ほかの人の意見を引用して、客観性を持たせる

「一度は行っておきたい店として、ラーメン専門誌にも紹介されている」

 

⇒なんとなく、うまい料理を描写するより、まずい料理を描写するほうがラクな気がする。

うまい料理は普通3点、最高でも5点。感情としても「うまい」だけ。

逆にまずい料理はー10点があるかと思えばー30点なこともあり、点数すらつけられないものもありそう。辛すぎて食べられないものあれば、焦げていて苦いものもあれば、臭い、ドロドロしている、危険そう、などなど。もともと多様なものは技巧を凝らさなくても多様に表現できる。

 

読点をどこに打つか

読点は気分で打つものではなく、できるだけ論理的に打ちたい。ただしこれに関して教科書的な正解はなかなかなく、作家によっても読点のリズムが異なる。しかも同じ作家でも結核になって息がとぎれとぎれになると、それ以降の作品で読点が増えたりする。

とりあえずこの本で紹介されていた読点の基準は、意味、長さ、構造、表記、の4点。

 

意味から考える

複数の意味に解釈できてしまう文章は、狙った意味になるような場所に読点を打つ必要がある。

「友人は走っていって段差につまづいた少女を助け起こした。」

①友人は、走っていって段差につまづいた少女を助け起こした。

②友人は走っていって、段差につまづいた少女を助け起こした。

 

長さから考える

修飾・被修飾、主語・述語の距離が遠いとき、読点を打つことで関係を分かりやすくする。

「友人は段差につまづいて転んでしまった少女を助け起こした。」

⇒友人は、段差につまづいて転んでしまった少女を助け起こした。

 

構造から考える

文章の全体構造がはっきりするところに読点を打つ。

「日本の箸は比較的短くて一方の先端が細くなっているが中国の箸は比較的長くて太さもあまり変わらない。」

⇒日本の箸は比較的短くて、一方の先端が細くなっているが、中国の箸は比較的長くて、太さもあまり変わらない。

もっというと、1文章1情報の法則を適用して、2つの文に分けたほうが読みやすい。

⇒日本の箸は比較的短くて、一方の先端が細くなっている。それに対して中国の箸は比較的長く、太さもあまり変わらない。

 

表記から考える

ひらがなの連続、漢字の連続は読みにくいので、途中で読点を打つ。

竹でできたひもつきのさいばし

⇒竹でできた、ひもつきのさいばし

 

まあこのあたりの基準は模範解答だとして、もっと微妙な打つか打たないかの判断も多い。これについてどの本に書いてあったか覚えていないが、絶対音感ならぬ「絶対文感」みたいな領域になってくる。

一度書いた文章をひと晩寝かせておいて、翌朝音読してみると読点が気になることはよくある。

読書ログ「人の心を動かす文章術」樋口裕一

「書き出しがよければその本が売れる。結末がよければ次の本が売れる」らしい。

確かに国語の教科書に載っていた作品を思い返してみると、だいたい書き出しと結末がキマっている。

今回は特にその書き出しについてのお勉強。あとは表現技法についてもいくつか。

 

書き出しのパターン

1)擬音で始める

ドシン、トントントントン、など。

⇒映画だと、ドアが閉まる音とか、車のスキール音とか、足音・息遣いなんかのシーンで始まりがち。

2)会話で始める

「子ども、生まれた?」など。

⇒映画だと、ナレーションとか、登校前の家族の会話とか、もしくは回想・教誨だろうか。

3)動きのある行為から始める

緊張感のある場面。交差点の角でぶつかる、など

⇒映画だと一番多いパターンな気がする。逃走シーンとか、犯行の現場(ただし犯人の顔は分からない)とか、風景や街並み、人の動きとか。

ただし主要テーマを最初から持ち出すと、読者がついてこれない。

NG)弁解

逆にNGの書き出しとして、「私は文章がうまくないので」とか「メモしてなかったので細かいところは忘れてしまったが」とか「書きたくないけどしかたない…」とか、言い訳で始めるのはよくない。

ただし下書きの段階ならあってもよい。見直して削除すればよい。

 

修飾語のテクニック

1)重ね言葉を使う

てくてく歩く、しとしとと降る、など。初心者でも使いやすい表現なので、意識してみると表現の幅が広がりそう。

2)和語を使う

和語を使うと表現がやわらかくなり、漢語を使うと表現が固くなる。ひらがなと漢字の違いもありそう。

「全然」⇒「いささかも」、「無数の」⇒「ふんだんに」など。

3)接頭辞のついた形容詞を使う

「暗い」⇒「ほの暗い」、「汚い」⇒「小汚い」など。

単純な形容詞が連続しそうになったら、ちょっと接頭辞や接尾辞を加えてみよう。

4)比喩

大学で認知言語学の授業を取っていたことがあるが、比喩を厳密に分類すると以下のようになるらしい。

いちいちどのカテゴリーに属するか考える必要はないと思うが、「そう来たか!」と思わせるような事例を使ってみたい。

でもセンスが如実に出るので、やりすぎると村上春樹みたいに好き嫌いがはっきり分かれそう。

 

メリハリのテクニック

表現の豊かさ、文体のリズムも大事だが、最後まで読み通させるためには段落や作品全体にメリハリをつける必要がある。

遠景と近景を使い分ける

映画のカメラワークがそうだが、街や自然の遠景から始めて、だんだんと主人公にスポットが移る。

文章だと、まず大枠の状況説明をしてから、詳細であったり、内面であったりを深掘っていく。

人間の認知も基本的にはそんな大枠→詳細の順番なんだろうけど、逆にナイフを突きつけられたら切っ先にしか目がいかないように、読者・視聴者の視線をうまくシミュレーションしていきたい。

クローズアップとスローモーションを使う

遠景・近景の話と似ているが、

・同じような意味の表現を重ねる(ペンキの上塗りのイメージ)

・短文でたたみかける(ハッチングのイメージ)

・読点を多用した長文で詳しく述べる(油絵のイメージ)

こんな感じか。

個人的には、章のはじめ、段落のはじめに短文を多く配置して、中央のクライマックスで長文を使うようにしている。

「読点を多用した長文」ってのはまあ読みにくいからね。これが許されるのは谷崎潤一郎だけ。

読書ログ「1分間文章術」

世界二周目の準備として、株の勉強のほかに、小説を書いていくことにした。

株はシンプルに不労所得が欲しいから。

小説は旅を表現するため、それから旅の着眼点を養うため。

 

大学生になってからは小説より論文や学術書、会社員になってからはビジネス文書を読み書きすることが多いので、こと「小説」となると難しい。

じゃあなぜ小説なのかというと、僕は心理学とか自衛官とかをやっているわけで、そこには守秘義務があるわけで、ずっと溜め込むとちょっとしんどい。それらを匿名化・抽象化・構造化して作品にすることで、なにかしらのカタルシス効果が得られるんじゃないかと思ったから。

 

今回読んだのは石井貴士さんの「1分間文章術」。

1分間のトレーニングで何かが変わるなら、ちょっと試してみたい。

以下、内容の抜粋と感想。

 

お手本にしたい作家を1人決めて、処女作、2作目、3作目を書き写してみる。
※50冊以上を出版している作家から選ぶこと

⇒文章をそのまま書き写すトレーニングはよさそう。

昔、朝日新聞天声人語を書き写すためのノートみたいなのが売られていたけど、まあそんな感じか。ある程度文体が憑依したなと思ったら、それ以降は朝5分とかに時間を絞ると効率がよさそう。おそらく全文を書き写す必要はない。

僕の場合、文章がスッとしていて綺麗だなと思うのが松本清張、テーマ選びと表現が素敵だなと思うのが大江健三郎バックパッカーとして有名どころだと沢木耕太郎下川裕治、ロジックの構成が緻密だなと思うのが高野和明、自分と境遇や学歴が似ていると思うのが森見登美彦綾辻行人

作者じゃなく本として選ぶなら、ミレニアム(スティーグ・ラーソン)、旅のラゴス筒井康隆)、ネシャンサーガ(ラルフ・イーザウ)、怪人二十面相江戸川乱歩)あたりが好き。

ここからお手本を選ぶか。うーん、江戸川乱歩とか?

 

ちなみに僕の処女作は「ヤマダイスキーの旅日記」である。

出版から4年ぐらい経っていて、たまに読み返してみると文章の粗さがずいぶん目立つ。だけどその粗さ、未熟さも含めてこの本の良さだと思っているし、今さら推敲するつもりはない。

 

名詞への修飾語は1つにする

⇒「きれいでおとなしい女性」より、「きれいな女性で、彼女はおとなしい」のほうが読みやすい。

というか基本的に、情報は小出しにするとよい。

これはまあそうとして、漢字とかなのバランスもちょっと意識するなら「漢字3割、ひらがな7割」の比率がよいとされている。

新聞の社説は漢字50%、国語の教科書は漢字30%、ネット記事は漢字25%の割合らしいから、どちらかというと漢字が少なめ。「事」とか「時」とか、迷ったらひらがなにしていこう。

それから漢字の使用率はチェッカーで分かるので、今後このブログでも気にしようと思った。

ひらく漢字(常用漢字)+テキスト内漢字率チェッカー | Webライターナレッジ

 

「A and B」「A or B」という表現をやめる

⇒「私と田中さんは、お弁当を買いに行きました」ではなく「私は田中さんと一緒に、お弁当を買いに行きました」にする。

これによって主語と述語の対応関係が分かりやすくなる。

同様に「私が行きたいのは、北海道か沖縄です」ではなく、「私が一番行きたいのは北海道、次に行きたいのは沖縄です」にするとよい。主語、述語がすっきりする。

まあケースバイケースな気がするけど、情報過多にならないように、パッと見て内容が分かるようにする姿勢はいいなと思った。

 

キャラクター設定ではユングの集合無意識を活用する

ユングによると、人間の心は顕在意識、潜在意識、集合無意識の3階層になっているらしい。

このうち集合無意識に訴えかけるようなキャラクター設定にすることで、読者のほうで勝手に「ああそんな人もいそうだな」と思わせられる。

心理学ではバーナム効果というが、これがよく分かるのが占いで、誰にでも当てはまるフワッとした特徴なのに「あ!それ自分!」と思ってしまう。

これを小説の登場人物に当てはめることで、感情移入がしやすくなるそうな。なるほどね。

 

読書ログ「バビロンの大富豪」

ここ数ヶ月は特に国家試験もないので、株と小説に集中して取り組もうと思う。

とりあえずどちらも教科書的な本を何冊か読んでみて、方針を決めて、小さめなトライをして、それから中期計画を立てて進めていく。

株についての記念すべき1冊目は「バビロンの大富豪」。

中田敦彦youtube大学でも紹介されていた名著で、図書館だと予約待ちなので中古で買ってみた。

「バビロンの大富豪」

 

以下、簡単な抜粋と感想。

 

収入の1割を将来のために蓄えなさい

⇒1割で本当にいいのか???

初期資本のない20代こそもっと貯蓄を頑張るべきで、収入の5割とか、毎月10万円とか、とにかく雪だるまの核になる資本を早くつくるべきでは?と思った。

「若いうちは給料が少ないから仕方ない」と言われそうだが、週100時間アルバイトをすれば月に40万円。その生活を1年間続ければ300万円くらい貯まる。それだけあれば次の年の資本にできる。「週100時間はムリ」「労働基準法が」とかいろいろ言い訳もあるだろうが、しょせんは言い訳。なんとかなる。

あと本書には書いてなかったけど、個人的には「普段の支出を知っておくこと」「自分が幸せな生活だと感じられる最低コストを知っておくこと」が大事かなと思った。

 

お金に働かせなさい。
お金に詳しい人々が認めない商売に使われたお金は、その持ち主から逃げていく。

⇒本当にそう。

「投資は怖い」という意見をよく聞く。じゃあ銀行に預金しておくと安全なのか、インフレが起きると貯金は目減りしていくけどいいのか、という話になる。

リスクはどんな選択をしてもつきまとう。サラリーマンをやっていても、起業をしても、生活保護をもらっても、リスクは常に存在する。

最小のリスクで最大のリターンを得ることを考えると、資産のポートフォリオに「株式」や「債券」という項目が出てくるのは当然かなと思う。

ただし、投資≠ギャンブルというのは理解しておかないといけない。

 

働くことは喜び

⇒「働く」という行為を細かく分析してみる必要があるかなと思う。

いわゆる「働く」というのは、サラリーマンとしてオフィスに出社して、もしくは現場に出向いて、組織としてタスクをこなしていくことが想定される。肉体労働や感情労働などでは、その動作に焦点が当たることもある。ここではlabourとしよう。

だけど広義というか、本来の意味としては「誰かのためになることをして、その対価をもらう」ことだと思う。これがworkといわれるものである。

自分の生活のためではなく、他人の役に立つために労働ができるようになったら、それは確かに喜びだろうなと思う。

「働かないと生きていけない」フェーズでの仕事はlabour、「働かなくても生きていけるけど、楽しいから働く」フェーズでの仕事がwork。

ま、labourでもいいんじゃね?とちょっと思う。

 

その他

収入がなく、学費負担のある学生は救いようがないなと思った。

以上の話はあくまで社会人向け。

放送大学大学院 臨床心理学プログラム 研究計画

放送大学大学院 臨床心理学プログラムに応募している。

もともと選科生(科目履修生)として座学をこなしてきたが、全科生(修正課程)として入学できるか、という段階である。

とりあえず研究計画の提出と筆記試験が終わったので、そこまでを記録として残しておく。(出願に際して不利益になりそうであれば一時的に非公開にします)

研究計画

【題名】

AIカウンセリングサービスのアルゴリズム及びインターフェース最適化に関する考察

 

【背景と目的】

セラピストによる従来型の対面カウンセリングは手法や効果に信頼性がある一方で、クライエントに時間的・金銭的な負担を強いるという問題があった。そんな中で、昨今ではAIを活用したカウンセリングサービスが数多く登場している。多くはスマートフォンやWEB上のチャットボットに相談する形式であり、ユーザーは自身の精神状態に合わせて、24時間、無料ないし低額で気軽にカウンセリングを受けることができる。しかしそれらのサービスは必ずしも臨床的な効果検証を踏まえていない。そのため本研究では、継続利用されるサービスの特徴を明らかにしつつ、経時的なストレス軽減効果を検証する。

 

【先行研究】

ChatGPTなどAIツールの爆発的な普及を受けて、それらを活用したサービスも数多く展開されている。2023年8月現在、チャットボットを活用したAIカウンセリングサービスとして、SELF MIND など10種類以上のアプリが確認できた。また一方で、臨床心理士が遠隔ないし匿名でカウンセリングを行うサービスも複数存在する。

AIカウンセリングサービスの効果検証を行った先行研究として、例えば紙田ら(2021)はカウンセリング技法のSAT法をデジタルコンテンツ化し、VR、チャットボット、WEBのそれぞれにシステムを組み込むことでストレス軽減効果や継続利用率を測定した。このシステムには、①メンタル状態を知るアセスメント部、②ストレス軽減を実施するソリューション部の2機能が実装された。その結果として、没入感のあるVRが最も効果が高く、ユーザーの継続利用率ではチャットボットが優れていることが示された。しかしこの研究ではカウンセリング手法についての比較検討が十分になされていない。またAIツールが過去1年間で爆発的に普及したため、検証を行った研究は少ない。

 

【研究手法】

紙田ら(2021)の研究を参考として、チャットボットを活用したAIカウンセリングサービスから4つ、および対照群として専門家によるカウンセリングサービスを1つ選定し、被験者50人をそれぞれ10人ずつ配分してサービスを利用してもらう。一日15分の7日間プログラムにおいて、ストレス度をK6尺度によって毎日測定する。加えて被験者に半構造インタビューを実施し、サービスに対する満足度、改善要望、継続利用の意向を確認する。ストレス軽減効果が高く、継続利用されるサービスの特徴を明らかにするために、被験者の質的データに加えて、アプリのインターフェース、カウンセリング手法、およびその実装方法であるアルゴリズムを比較検討する。

 

【参考文献】

紙田剛,松本敦子伊藤達哉井上智雄, セルフメンタルヘルスケアシステムの継続利用促進に向けたチャットボット利用,2021, 情報処理学会論文誌デジタルコンテンツ(DCON),9(1).

 

筆記試験

放送大学の公式HPに過去3年分の問題が掲示されているが、時間が経つと更新されてなくなってしまうので、ここで保存しておこう。

字数制限はいずれも600字。解答用紙がほかの科目と共通ということもあり、800字まで書けるようになっているので要注意。

解答用紙とは別にメモ用紙が5枚渡されるが、時間が5問で120分なのでのんびりメモ用紙に下書きをしている余裕はない。僕は最初の20分を全問題のブレインストーミングに使って、そこからは解答用紙に書いていった。

 

2023年入学(2022年10月)問題

 

2022年入学(2021年10月)問題

 

2021年入学(2020年10月)問題

 

問題の傾向としては、

心理検査

心理面接における姿勢

不登校児の支援

地域援助

調査・研究法

の各分野からそれぞれ1問ずつ出題されている。

 

問われ方としては、種類、特徴、留意点、という形式が多い。

 

人名や専門用語の知識があるに越したことはないが、だいたい出題されても1問。

なので勉強をするのであれば効率が悪い。(どうせDSMもICDも改訂されるし)

 

それより解答を分岐させて、①このような場合には~と対応する、②このような場合には~と対応する、みたいに想定して記述するとか、

「例えばこのようなクライアントがいたとすると」「逆に定型発達のパターンとしては」みたいに事例として記述するのが有効かと思う。

 

 

筆記試験の倍率は3倍強くらい。

筆記試験を突破したらまた面接の倍率が3倍強。

全体で倍率は10~11倍くらい。狭き門といえる。

中小企業診断士にあと3点で落ちたっぽい

2023年の8/5, 8/6にあった中小企業診断士の一次試験について、自己採点をしたところあと3点で落ちたっぽいので振り返りをしていく。

 

 

まず中小企業診断士の合格基準は

「全科目の平均点が60点以上であること」

「全科目のうち最低点が40点以上であること」

の2つ。

 

各科目について講評というか感想を述べていく。

 

■経済学・経済政策(ミクロ経済・マクロ経済)

僕は大学でミクロ経済をやっていたので、この科目の前半部分はそこまで勉強しなくても分かった。またマクロ経済のIS-LM曲線の分析についても、ちょっと理解があやふやな部分がありつつも得点できていた。だが今年の問題は後半のマクロ経済について知識問題がやや多く、そこの失点が点数の伸び悩みにつながった。

■財務・会計(簿記と、そこから読み取れる効率性分析

僕は簿記2級を持っているので単純な簿記の問題や効率性の問題は取れたんだが、財務に関する法律、それからリスクとか割引率についての計算問題をかなり落としていた。それでも健闘したほうだと思う。

■企業経営理論(経営・生産・マーケティングに関する各理論、および労働基準法

今回落ちた原因はこれ。解き終わった感触として「80点はいったな」と思ったが、自己採点をしたときに60点だったので背筋が寒くなった。しかも自己採点を自信のない科目からやっていて、最後にこの科目を採点するとき「ここで63点取れれば合格だ!大丈夫だ!」と思いながら照合したんだが、最後に点数を集計して3点届いていなかった。

んで、落とした問題を見返してみても「まあ仕方ないか」というものばかり。ほかの科目もそうだが、難しい問題を2択までうまく絞れているのに、最後の選択をかなり外している。どうすりゃいいんだ。

■運営管理(工場の工程管理、製品設計、導線改善)

分かる問題は全部解けていて、リフト値の計算とか知識問題で落としていた。特に後半のGTINコードとかJANコードの問題は実務で使っている内容だったので全部取りたかった。だけど点数としてはこんなもん。

■経営法務(会社法民法知的財産権

これは苦手科目。だが起業するにあたって、一番勉強になった科目はこれかもしれない。特に会社法民法は「知らんがな」のオンパレード。だけど知らないじゃ済まされない。知的財産権とは特許権とか商標権とかの話で、僕も商標を取っているのでそのあたりで粘った。合格ラインには達していないが、まあ健闘したほう。

経営情報システム(PCその他の端末、ネットワーク、システム)

これも今回落ちた原因の1つ。本来はもっと得点を取りたい科目だったが、知識問題をかなり落としていた。普段からもっとシステム周りの用語に触れようと思ったけど、OSI基本参照モデルとかER図/UMLとかは使う未来が見えない。

■中小企業経営・中小企業政策(中小企業の動向、最新の助成金、事業承継)

この科目は意味不明。勉強方法が最後まで分からなかった。建設業と製造業とサービス業で、売上高とか店舗数とか利益率とか開廃業率とかの大小関係はどうなっているでしょう?年次変化はどうでしょう?みたいな問題が前半で、後半はコロナを受けた最新の補助金とか、中小企業政策の方針について。この科目で61点も取れたのはかなり健闘した。すごい。来年も受けるなら絶対にこの科目は免除にする。

 

試験そのものについての振り返りは以上。

ここから、試験勉強の進め方についての振り返りをしていく。

 

試験勉強を始めたのは6月頭から。

5月中旬に大学院の中間試験があったのでそちらを優先して、7月中旬にも期末試験があったのでそこでも診断士は一時中断した。

6月と7月前半で教科書を2周と問題集を1周して、7月末に過去問を3年分やった。申し込むときに教科書と過去問をパラパラと見て「2ヶ月あればギリギリ合格ラインかなぁ」と思い、確かに大学院がなければ2ヶ月確保できてギリギリ合格ラインだったかもしれない。なので難易度の読みは正しかった。

ただし試験スケジュールが過密で会社・副業も中断しないとなると、犠牲になるのはプライベートの時間である。この勉強期間中は気温が高かったこともあるが抵抗力がけっこう落ちていて、運動らしい運動もできていなかった。今後の試験スケジュールにおいてはもっと体調に配慮しようと思う。

とりあえず来年は税理士を目指そうかなと思っている。中小企業診断士を科目免除して来年も受け直すかどうかは、起業してみて事業の収益や稼働時間、そして診断士の市場価値を見ながら判断しようと思う。

 

 

次の投稿は9月末の予定です、お楽しみに~

今だけなんだよなぁ、全部。現状維持じゃないから今を微分しても将来は分からない。

けっこうイタい文章になってしまう可能性が高いが、こんな記事を書けるのも今のうちだろうからとりあえず書いてみる。

 

20歳と25歳と30歳と35歳で、人生の視座というか、人生の質は決定的に違うという話。

僕は今25歳なので30歳と35歳の違いを経験談として語ることはできないし、ましてや35歳と45歳と55歳の違いも分からない。

ただ、20歳と25歳と30歳と35歳で完全に別人、完全に価値観や行動が変わることは断言できる。

 

僕は22歳までずいぶんとお金がなくて、20歳のイギリス留学や21歳の世界一周はカツカツだった。それが帰国して22歳になって、アルバイトができるようになって、コロナでバイトは全滅したけど23歳でなんとか卒業までの学費が払える目途がついて、さらに24歳で会社員になって、25歳で事業が軌道に乗り始めて、26歳で会社を立ち上げるところまで来た。

20歳と25歳で、完全に別人になったなと思う。

 

1つ例を挙げよう。男の場合、自分に似合う髪型をして、自分に似合う服装をして、毎日欠かさずスキンケアをして、それからレーシック・歯列矯正・ヒゲ脱毛をすれば、素材が何であれ10点満点で6点は取れる。男の平均点は3点とか4点とか言われるので、6点あればひとまず十分だ。

これが20歳のときは、あまりにお金がなかったから全部手が出せなかった。髪なんて自分で丸刈りにするのが一番安いし、大学の学食や学生向けの食堂ですら高くてごちそうだった。スキンケアどころか、日焼け止めすら買ったことがなかった。布団は寮の階段に転がっているものを使っていた。移動手段は自転車のみ、宿泊は野宿のみ、食事は食パンのみ、という生活がしばらく続いた。日本にいながら、日本人らしい生活はしていなかった。だから海外に行ってもカルチャーショックが皆無だったのはいいことだが、あまりに代償がでかい。

 

京大は貧乏人が多かったからそこまで気にならなかったけど、東京で会社員をやってみると、特にうちの会社は帰国子女のボンボンが多いから衝撃を受けた。自動販売機で飲み物を買う人たち、お昼休みに社員食堂ではなくレストランに行く人たち、最新のiPhoneやゲームを持っている人たち。そして、休暇になるとハワイや東南アジアに飛んでいく人たち。

彼らに育った環境を聞いてみると、とても同じ国で生まれ育ったとは思えない。いや、帰国子女だからそもそも外国育ちか。でも東京育ちの人たちだってそうである。何なら、地方出身者だってあまりに金銭感覚が違う。

 

 

僕は会社員として、上述したような人々とはけっこう違う生活をしている。

彼らが飲み会に行っている間に、僕は勉強をしている。

彼らが旅行をしている間に、僕は副業をしている。

彼らがゲームをしている間に、僕は河川敷を走っている。

そして彼らが会社で働いている間、僕も会社で働いている。

 

ただ、これも今だけである。全部、今だけ。

頑張るのは20代後半の5年間だけ。それだけ頑張ったら、30歳から先はもう"凪"である。

「10代、20代といろいろ大変だったなぁ」というのを温泉にでも入りながら回顧していることだろう。その頃には刺青を入れているか、じゃあ海外のジャグジーということで。

 

はたして4年後の30歳になる頃には、どこまで行っているだろうか。

経済的な自由は少なくとも得られている。僕は年収100万円あれば健康で文化的な最低限度の生活ができるし、年収200万円あれば幸せになれる。つまりFIREでいうと資産4000万円あれば達成できるし、会社の役員報酬を200万円出せばそれでも達成できる。もちろんその2つで折半することも可能だし、まあそれ以外にも方法はいろいろある。

職業選択の自由。つまりそもそも働くか働かないか、労働をするかしないかの自由。

住居選択の自由。どの国に何ヶ月住んで、次はどこに行くか。どんなビザを取得するかの自由。

時間配分の自由。朝は何時に起きて、一日24時間のうち何時間を仕事に充てるか。運動をどれだけやって、散歩をどれだけするか。天気が良ければ山に登って、雨が降っていればビリヤードでもするか、それとも映画でもつくるかを自分で決める自由。

そのあたりの自由を勝ち取り、そんな生活が日常になるのが30歳だろう。

 

30歳のときに35歳までの5年間で何をするかは決める。

2つめの修士号をこの5年のなかで取りたいなとは思う。それから会社や事業の売却と、次の会社の構想を練っているかもしれない。もしくは結婚して子どもができて、人生プランが根底から覆るのも楽しそうではある。あらゆる連絡手段を閉ざして「何かあったら家のインターホン鳴らしてくれ」みたいな隠遁生活をしているかもしれないし、世界2周目の途中でどこかの国に沈没しているかもしれない。

逆に、35歳にもなって東京で会社員をやっている未来は微塵も描けない。転職しようが、昇進しようが、週休3日になろうが、リモートや時短勤務になろうが、会社員という時点で同じ。なぜ会社員がダメなのかは、今の会社を退職するときにまた記事にまとめる。とりあえず会社員は無理。

 

とにかく、25歳の今日という日を微分してみても、30歳はその延長にはないし、35歳にいたっては別の次元にある。

今日を微分して将来が導けるのは、現状維持をしている人たちだけである。

 

上昇志向でぶち上げていこうぜ。ではでは。